2022/10/23
【実銃】米軍制式採用拳銃P320のカスタムに迫る
マッチガンとタクティカルガンの融合
前回はカスタムグロックを2挺紹介したが、同じ射撃場には米軍制式拳銃に採用されたP320のカスタムも用意されていた。今回はそちらを紹介していこう。
SIG SAUER純正パーツで組み上げたカスタム
こちらのP320カスタムでは、同シリーズのX-FiveのフレームにM17のスライドを装着。これはタクティカルガンとマッチガンを融合させたカスタムモデルというコンセプトだ。そしてマイクロドットサイトにはエイムポイントのACROを、トリガーにはプロフェッショナルなストレートタイプをチョイス。すべてSIG SAUER製のパーツを使って組み上げている。
P320カスタムの実力
このP320カスタムも実射してみる。どうしても野暮ったく見えてしまうエイムポイントのACROがプレートを介して一段高く載っているので、見た目のバランスが悪く映ってしまう。フレームはスリムでシャープなX-Fiveのものを使っているので握りやすいのが救いだ。そのうえ、SIG SAUER製のマグウェルはグリップのシルエットと一体になっているのでより引き締まって見える。これを手にした射撃場の管理人のアドリアンはフィーリングがとてもいいと語る。マグウェルが手の触れる面積を増やしており、より安定してグリップできるというのだ。それを聞いて、筆者もその辺りを意識してグリップしてみたものの、日本人サイズの筆者の手だとあまり恩恵を感じられなかった。
ところでX-Fiveといえばシューティングマッチ用にカスタムされているわけだから、ノーマルよりもはるかに射撃しやすいはずだ。ところがカスタムグロックを撃った後だからか、ストライカーファイアによくあるヌメッとしたトリガーフィーリングのように感じられた。そういえば以前SIG SAUERを訪問し、P250とP226 X-Fiveを撃ち比べた時もDAO(ダブルアクションオンリー)のP250の方が結果が良かったなと思い出した。
もっともこれは筆者の話で、アドリアンはこのP320カスタムを大層気に入った様子だった。普段からグロックが1番だと語っている彼が「今日はこっちだな」と言うほど、相性がいいようだ。曰く、トリガーのトラベル量とグリップ感、バランスとリコイルのコントロール性が素晴らしく、さすが天下のSIG SAUERなだけある、ということらしい。
前回と合わせて現代のカスタムハンドガンを3挺体験したわけだが、突き詰めれば銃も道具ということで、なるほど相性というのもあるようだ。そういう意味でも、フィーリングや性能、見た目に至るまで、自分が気に入る形でカスタムしていくのは大切なことなのだろう。その方が楽しいし、なによりも愛着も湧くというものだ。
より詳しいレポートは月刊アームズマガジン2022年10月号に掲載しているので、興味がある方はそちらもぜひチェックしていただきたい。
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Le cercle de tir de Wissous:https://www.youtube.com/c/
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Photo&Text:櫻井朋成(Tomonari Sakurai)
この記事は月刊アームズマガジン2022年10月号 P.202~209をもとに再編集したものです。