2021/08/07
プロフェッショナルが選ぶガンケース「PELICAN CASE」
国内外のあらゆるプロフェッショナルが使うケース
PELICAN PROTECTOR CASE
過酷な環境下で精密機器を確実に保護し運搬できるツールとして、米軍特殊部隊をはじめ軍や法執行機関、消防、レスキュー、報道などさまざまな分野のプロフェッショナルが愛用するペリカン(PELICAN)のプロテクターケース。ガンケースの用途でもハンドガンからライフルまで各種サイズが揃い、銃器を保護することにかけてはトップクラスの性能といえよう。その愛用者であり、本誌でも活躍中のフォトグラファー・須田壱が、製品の特徴を解説する。
確実に保護するケース
フォトグラファーの筆者にとって、カメラは命よりも大事なもの。撮影現場に車や公共交通機関で移動する際、あるいは現地で持ち運ぶためには機材のケースが必要となるが、大切な機材を確実に保護してくれるものでなければならない。現場でカメラが作動しなかったら一大事だからだ。それゆえ、アポロ11号計画で月の石の運搬に使われて有名になったゼロハリバートン製アルミケースを愛用してきたが、重さがネックだった。後に軽量な樹脂製ケースも発売されたものの頼りない印象だったため、以前から気になっていたペリカンの製品に切り替えた。
PELICAN PROTECTOR LONG CASE
ペリカン 1720 プロテクターロングケース(写真右)
- 色:ブラック、デザートタン、オリーブドラブ(※写真はブラック)
- 外寸:112.7×40.6×15.5cm
- 内寸:106.7×34.3×13.3cm
- 価格:¥47,200
ペリカン 1750 プロテクターロングケース(写真左)
- 色:ブラック、デザートタン、オリーブドラブ(※写真はブラック)
- 外寸:134.6×40.6×15.5cm
- 内寸:128.3×34.3×13.3cm
- 価格:¥51,200
ペリカンの樹脂製ケースはアメリカ生まれで、その代名詞ともいえる「プロテクターケース」シリーズは防水、防塵、耐衝撃性で定評がありIEC規格に基づくIP67(防水性能7等級・防塵性能6等級)、ATA規格(航空輸送業界の耐衝撃・落下)そして米軍のMIL-SPEC 4150J、NATOのSTANAG 4280/DEFSTAN 81-41も満たした、プロフェッショナル向けの製品だ。
筆者は趣味で標的射撃や狩猟もやっており、やはり取り扱いに注意を要するスコープ付きのボルトアクションライフルを所持しているが、その運搬にもプロテクターケースを愛用している。ここではその特徴について見ていこう。
卓越した耐衝撃/防水/防塵性能と機能性
①材質
プロテクターケースの材質はコポリマーポリプロピレンで、連続気泡構造により軽く強固な積層構造を実現。耐寒・耐熱は摂氏−40度から99度までと、極寒地や砂漠で使用できる。
②衝撃吸収構造
コーナー等弱点となる部分にはデフレクターリブ構造を採用し、車に轢かれても壊れないほどの衝撃吸収力を発揮。中東では爆破に耐えた事例もある。
③キャスター
ライフル用、カメラ用等の大きいケースにはキャスターが付いており、持ち運びが楽になっている。
④グリップハンドル
ロングケースの場合キャスターが付いているため、グリップハンドル(持ち手)は2カ所に装備。
⑤自動気圧調整バルブ
防水透湿素材のメンブレンを採用した自動気圧調整バルブが水の侵入をガードしつつ、気圧や温度の変化で内部が真空状態になる=開けられなくなることを防ぐ。
⑥ウレタンフォーム
ケース内の緩衝材となるウレタンフォームは、筆者の場合はカメラや銃の形に合わせて加工業者にレーザーカットしてもらっている。これなら内部でガタつかず見映えもいいが、それ以外のものが入らない欠点もある。筆者の場合、.308のM700(全長1,100mm)には1750、.223のM700(全長960mm)には1720と、銃の長さに合わせてケースを選んでいる。
⑦防水・防塵
蓋に装着されたOリングが密閉性を保ち、粉塵や水の侵入を防ぐ。水没時には水圧により密閉性が強化される仕組み(水深1mで最長30分耐えるレベル)。1カ月海上を漂流し中身は無事だったという実例も。
⑧鍵取付穴
鍵取付穴はステンレス板で補強され、南京錠やダイヤルロックを装着できる。高価な機材を盗難から守るのに必須の機能。
⑨ダブルスローラッチ
てこの原理を利用したダブルスローラッチ。ケースを確実にロックしながら、軽い力で開閉できる。
まとめ
その昔「象が踏んでも壊れない」というキャッチコピーがあったが、あらゆる悪条件から大切な機材を守ってくれるペリカンのプロテクターケースにも似合う言葉だ。サイズやカラーバリエーションが豊富で、用途ごとにジャストなものを選べるのもいい。これを上回る製品が登場しない限り、しばらくは仕事に趣味にと愛用し続けることになりそうだ。
Text & Photos:須田壱(スタジオゼット)
この記事は月刊アームズマガジン2021年8月号 P.36~37より抜粋・再編集したものです。