2021/05/28
ロシア帝国制式採用リボルバーに再現したモデルガン「ナガンM1895」
ロシア帝国制式採用リボルバーが発火式モデルガンで初登場
リボルバーの短所のひとつとされるシリンダーギャップ(銃身入口とシリンダー前面にある隙間)からの発射時のガス漏れ。これに起因する威力と精度の低下などの問題を解決させるために、シリンダーが前進してシリンダーギャップを塞ぐ独特のガスシールシステムを搭載したのが有名なナガンM1895リボルバーだ。
この銃は、リボルバーには珍しい7連発で、弾はケースが弾頭を覆いつくす独特の7.62mm×38ナガン弾を採用。細い弱装弾でもガスシールシステムによって充分に威力を発揮し、またシリンダーギャップからの音漏れも少なくなったためサプレッサー(減音器)が効果的に使用できたという。ベルギーの銃だが1895年にロシア帝国で採用、ロシア革命後も使われ続け、製造総数は1945年までに200万挺にも及んだ。
このユニークな銃のモデルガンが、いよいよ待望の新発売。筆者が実際に手にして感じたのは、想像以上に面白いリボルバーだということ。撃つたびにシリンダーが前進するメカニズムはもちろん、ハンマーが起きるまでロックされないシリンダーの逆回転を防止する仕組みや、シリンダーのベースピンのように収納されるエジェクターロッドなど、未体験の仕組みを満載。
軍用拳銃にもかかわらず小ぶりで、カートが細長く小さいのにも驚く。各部の形状も従来のリボルバーとはまったく雰囲気を異にしており、例えばシリンダーはフルートが前方に抜けておらず、ストップノッチはシリンダー後面にもあるのだ。
複雑な構造の銃だが作動は快調、専用のダブルキャップカートで発火も存分に楽しめる。やはり写真や動画で見るだけでは分からないナガンリボルバーの魅力を存分に堪能できる最高に素晴らしいモデルガンに仕上がっている。皆さんにも実際に手に取って、その魅力を堪能してほしい。実際にメーカーへの予約も好調のようで、発売への期待は高まるばかりだ。木製グリップやサプレッサーも別売予定だ。
ハートフォード
ナガンM1895 リボルバーモデルガン
DATA
- 全長:234mm
- 全高:144mm
- 全幅:40mm
- 重量:490g(カートリッジ7発含む)
- 装弾数:7発
- 価格:¥43,780
- お問い合わせ先:ハートフォード
TEXT:トルネード吉田/アームズマガジンウェブ編集部
PHOTO:須田壱(スタジオゼット)
MODEL:東城咲耶子
HAIR & MAKE UP:伊達美紀
撮影協力:東京サバゲパーク
この記事は月刊アームズマガジン2021年7月号 P.74~77より抜粋・再編集したものです。