2026年1月号

2025/11/29

【NEW】ハートフォード 45周年記念コルトM1877 ライトニング 6" ABSカスタム ケースハードン & ライトニングオールシルバー 6” & 4"

 

 

ハートフォードの前身となる会社が創業したのは1985年12月25日のことだ。まもなく45周年を迎える。これを記念したライトニング6インチのアニバーサリーモデルが発売されることになった。また6インチのオールシルバーモデルが新たに加わり、4.5インチのオールシルバーも再販が決まった。

 

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▲ハートフォード45周年記念モデル
試作品のため、バレル左側面の刻印、バックストラップ後面の刻印 “Conety's Custom” が打たれていないが、製品版には入る。

 

ハートフォードの始まり

 高津昭(コネティ加藤)さんは1980年、勤めていた某広告代理店(現東証一部上場)を退職し、約半年間アメリカのコロラド州立大学で研修に参加した。その傍ら、カリフォルニア州サンフランシスコに足を伸ばし、旧Gun誌のレポーターだった永田一郎氏やジャック・タクボ氏と会ってSAAなど実銃射撃を経験した。高津さんは子供のころからのガンファンであり、アメリカに行く機会があれば、銃を撃つのは半ば当然のことであった。
 帰国後の1980年12月25日に設立したのが高津商事(当初は有限会社)だ。
 しばらくの間、銃とは関係のない業務を続けていたが、1981年夏にコクサイが発表したメタルブルーフィニッシュのブローニングM1910が大きな転機になった。“銃は美しくなければならない”と考えていた高津さんは、その金属感あふれるブラックニッケルメッキに大きなインパクトを受け、“自分が作りたかったのはこれだ!”と感じたという。  

 当時のモデルガンは、ABS樹脂の地肌そのもの、あるいはニッケル、クロームメッキしかなく、黒い金属感あふれる仕上げのものは唯一それしか無かったのだ。
 そして研究と苦労の末、マルシンのガバメントに独自のメッキ加工と黒染めを施したカスタムモデルを作り上げ、これを通信販売し始めたのが1983年のことだ。この時すでに“ハートフォード”、“HWS”の名前を使っている(1989年社名を正式にハートフォードに改め、1996年3月には株式会社となった)。
 翌1984年、CMC製SAAのメッキカスタムを発売した。この製品はフレームがメッキによるケースハードン仕上げとなっていた。“ケースハードン”という単語を業界に広く知らしめたのもハートフォードの功績だ。ハートフォードがウェスタンへの強いこだわりが現れてきたのがこの頃だった。
 SAAのカスタムはその後も継続したが、エアソフトガンブームが始まり、モデルガンは急速に衰退していく。SAAのモデルガンを製造していたCMCは事業を縮小し、WAもエアソフトガン製造にシフトしたため、業界にSAAの存在が一時的になくなってしまった。この頃、高津社長は、自社でSAAのモデルガンを製造する必要性を感じ始めた。 

 エアガンブームの当時、ある出会いがハートフォードにあった。レーザーサイトを製造するカートン社(台湾)だ。当時10万円近い価格のレーザーサイトは映画『ターミネーター』の影響もあり、そのニーズはとても高かった。20,000円を切るレーザーサイトが売れない訳がなかった。ハートフォードのレーザーサイト“ビームフォード”は売れに売れた。大きな資金を得たタイミングとCMCの完全廃業がほぼ一致した。

 そしてCMCから金型を購入、晴れてモデルガンメーカーの第一歩を踏み出した。1993年4月にダブルデリンジャーを発売、1994年4月には満を持してハートフォード製SAAを発売するに至る。
 これ以降、ハートフォードはウェスタン系モデルガンを中心に、数々の新規設計製品を開発、製品化するようになった。数は多くないがエアソフトガンもある。それらはシリンダー内にガスタンクを収めるという“ペガサスシステム”をベースにしたリボルバーが中心となる。ハートフォードがトイガンメーカー タナカの協力を得て特許取得したシステムだ。

 ハートフォードで特筆すべきは、単にトイガンを製造販売するだけでなく、ファストドロウ定例会の開催や、同社公式ウェスタンクラブ“PEMAY CLUB”のサポート、家庭用ファストドロウタイマー“射楽”の販売、ファストドロウ全国大会を開催するWFDA-JAPANのバックアップ、ブルーイング液の販売とブルーイングテクニックの伝授、キットモデルの販売、ガンプレイに最適な作動するラバーモデルなど、トイガンを用いて楽しためのツールや環境整備を積極的におこなってきたことだ。

 

アニバーサリーモデル

 そんなハートフォードは、今年のクリスマスに、その前身となる高津商事の設立から45周年を迎える。それを記念したコルトM1877ライトニング ABSカスタム ケースハードンが発売されることになった。
 製品はハートフォードお得意のケースハードン処理がフレームに施された6インチモデルだ。10月に発売された6インチモデルはオールHW樹脂製だったが、アニバーサリーモデルはフレームがHW樹脂製、バレル、シリンダーがABS樹脂製とメリハリの効いた外観となっている。その完成度の高さは写真をご覧頂きたい。

 

▲1984年に発売された最初のケースハードンカスタムは、メッキによるものだったが、その後にはHW樹脂を研磨して再現されるようになり、その完成度の高さは素晴らしいものとなっている。実銃のSAAやそのイタリア製レプリカに施されたケースハードンと見紛うばかりだ。
45年前には、いずれこんな美しいモデルガンが作られるようになるとは、だれも予測できなかっただろう。

 

▲バレル上面には、“45 ANNIVERSARY MEMORIAL MODEL”の文字が刻まれている。

 

▲パッケージの蓋内側にはコネティ加藤(高津)社長の直筆サインがある。
これ以外にも45年間のショートヒストリーを“コネティさんが直筆で書いたコピー” を付けるそうだ。

 

▲ハートフォード45周年記念モデル 6インチ ABSカスタム ケースハードン
全長:268mm
銃身長:6インチ
重量:600g(カートリッジ含む)
装弾数:6発
仕様:7mmキャップ火薬使用発火式モデルガン
価格:¥39,380(税込)

 

オールシルバー 6インチモデル

 また10月に発売となった6インチには、美しいクロームメッキを施したオールシル

バーモデルが加わる。こちらもベースはABSモデルだ。併せて2024年夏に発売された4.5インチのオールシルバーモデルも再販される。

 

▲ハートフォード コルトM1877 ライトニング オールシルバー6インチ& 4.5インチ
全長:268mm/230mm
銃身長:6インチ/4.5インチ
重量:600g/535g(いずれもカートリッジ含む)
装弾数:6発
仕様:7mmキャップ火薬使用発火式モデルガン
価格:¥40,700(税込)

 

 45周年記念モデルはコネティ加藤さん(高津社長)ご自身でケースハードン加工をおこなう限定品だ。この機会でないと手に入らない。欲しい方は今すぐ予約されることをお勧めしたい。

 

Text by Satoshi Matsuo

 

Gun Pro Web 2026年1月号

 

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