2025/11/29
【NEW】レミントン870 ポンプアクションショットガン Vang Comp Systems Custom
*それぞれの画像をクリックするとその画像だけを全画面表示に切り替えることができます。画面からはみ出して全体を見ることができない場合に、この機能をご利用ください。
レミントン870
ポンプアクションショットガンと言えばRemingtom 870 (レミントン870) がその代表作だと断言してよいだろう。1950年に発売された870は、現在も生産供給が続いており、このカテゴリーにおけるマスターピースだといえる存在だ。
レミントンにとってこの銃はモデル10、モデル29、モデル31に続く4機種目のポンプアクションショットガンだ。そんな870はセールス的に大成功して、銃器の歴史に名を残す傑作のひとつとなった。
発売から75年が経過するが、少しのマイナーチェンジのみで現在も開発当初と同じメカニズム、同じ素材で製造されていることも驚異的だ。この銃が開発された当時、市場にはウィンチェスター モデル12を筆頭に数多くのポンプアクションショットガンが存在した。あのウィンチェスター モデル1897もまだ製造が続いていたし、他にもスティーブンス モデル620、J.C.ヒギンス モデル20、イサカ モデル37、ウェスタンフィールド モデル60など、多くのライバルがひしめいていた中で、レミントン870はそれらを圧倒し、勝ち残った。レミントン870の発売から11年後、モスバーグ500が登場し、こちらも大ヒット、ポンプアクションショットガンとして双璧を成す存在となって現在に至る。
それらの成功の背景には、ハンティング、スポーティング、そしてタクティカル、そのすべての分野で、ショットガンとしての機能、使いやすさ、汎用性において、100点満点といえる高い評価を得たという事がある。
今回はポンプアクションショットガンのマスターピースであるレミントン870に対し、タクティカルショットガンカスタムで知られるVang Comp Systems(バングコンプシステムズ)によるポリスショットガン向けのカスタムを施したモデルを紹介しよう。
ショットガン
ショットガン/散弾銃とは、粒状のペレット(弾、ショットともいう)が複数散開する事で命中率を上げるアイデアに基づく銃器だ。この形式の銃は16世紀において、飛行中の鳥を撃つのに適したものとして広く認識されるようになった。実質的に滑腔銃身(ライフリングの無い銃身)であれば、1発の弾丸を装填することも、粒状の弾を複数装填することもできたため、1発弾を撃つマスケットと散弾を撃つショットガンは基本的に同じものだった。
その区別が始まったのは、1発弾をより正確に射撃することを目的として銃腔に旋条(ライフリング)が刻まれるようになってからだ。そして、銃が先込式から元込式になり、薬莢の概念が生まれた時、散弾を詰めた弾薬であるショットシェルが作られた。これらにより、散弾を撃つためのショットガンが明確に区別されるようになったといえる。すなわち、現在に通ずるショットガンのスタイルは19世紀前半に形作られたわけだ。
もっともその当時において銃は単発、もしくは複数の銃身を束ねた合束銃ではあった。レバーアクション、ポンプアクション、セミオートといった形式が生み出されるのは、そのずっと後になってからだ。
現代においてショットシェルは、主にプラスチックの外装を真鍮、またはスチールのベースと組み合わせたケースに、発射火薬、それを発火させるためのプライマー、そして複数の球状のペレット/ショット(散弾)と呼ばれる飛翔体、および飛翔体をスムーズに飛ばすための樹脂製ワッズが詰められたものを指す。
このペレット/ショットは、大型の動物を撃つためのバックショットや、鳥などの小動物を撃つためのバードショットなど様々な大きさと重さを持つものがあり、対象物に合わせて、これを使いわけることが重要だ。そしてこのペレット/ショットを撃った時の広がり方は、ショットガンの銃身の長さ、銃腔内の加工形状、銃口部の絞り形状などによって違いが出てくる。
すなわち、同じ銃であっても、異なる種類のショットシェルを使用する事で幅広い用途に応用できる自由度、汎用性がショットガンの特徴であるといえるのだ。
ミリタリー&ポリスショットガン
広い範囲にペレット/ショットを飛ばすことを、狩猟の場だけでなく対人用としても活用したのは、主にアメリカにおいてであった。西部開拓時代、開拓民達は獲物捕獲用のショットガンを自衛用としても活用した。また駅馬車(ステージコーチ)などの御者は銃身を短くしたショットガンを強盗の襲撃に備えて装備していたし、無法者達から町を守る保安官もまた同様にショットガンを装備していた。
その流れから、アメリカは戦争においてもショットガンを活用した。散弾の有効射程は短いが、近接戦闘においては非常に有効な武器となる。米比戦争(1899-1902)にも活用、有名なモロの戦士の襲撃にも対処できた。
第一次大戦においても、遅れて参戦したアメリカは、激烈を極めた塹壕戦にポンプアクションショットガンを投入、ドイツ兵に近距離からバックショットを浴びせた。これに対し、ドイツは不必要な苦痛を与える兵器の使用を禁止したハーグ陸戦条約に反する行為だとアメリカを非難したと言われている。しかし、アメリカはショットガンの使用を継続、これは第二次大戦や、その後の戦争においても同様だ。
またショットガンは警察の武装としてもアメリカでは幅広く活用された。これはショットシェルを使い分けることにより、近距離における制圧力を幅広くコントロールできるという利点があるからだ。多人数の暴徒と対峙しなくてはならない場合でも、ショットガンは有効であり、ゴム弾やプラスチックペレットなどの非致死性弾を用いて,相手の戦意を削ぐことも可能となる。
現在ではほとんどの武器が自動化されているが、非致死性弾の場合、自動作動に必要な圧力が得られない。その場合は、ボルトハンドルを操作して、ショットシェルの排莢、装填が必要となる。しかし、ポンプアクションショットガンはもともよ手動連発銃であるため、通常の連発操作で様々なショットシェルに対応できるという利点がある。それゆえショットガンの分野は現在でもポンプアクションが生き残り、レミントン870とモスバーグ500がその双璧を成しているのだ。


