2025/05/08
2014 オールジャパンファストドロウチャンピオンシップ in 九州【動画あり】
Gun Professionals 2015年1月号に掲載
世界チャンピオン参戦! 世界最速のスポーツと言われるファスト・ドロウの全国大会に、今年はカナダから2人のシューターが参加した。最高の称号である“Fastest Gun Alive”を持つハワード・ダービー(Howard Darby)氏と、新進気鋭のシューターのマイク・アヴェチキアン(Mike YUKON Avetikian)氏だ。総勢50名、11月2日・3日と福岡での大会は過去最高に盛り上がった。
世界チャンプ参戦
ファストドロウ(以下FD)とは、ランプ点灯を合図にシングルアクションリボルバーをガンベルトから素早く抜き撃ち、そのタイムを競うゲームda。全国大会では、「スタンディング ブランクス(モデルガン1発撃ち)」、「スタンディング ワックス(ガスガン1発撃ち)」、「ダブル ブランクス(モデルガン2発撃ち)」の3種目の成績の合計で順位が決まる。
そのルールや運営は日本独自のものではなく、アメリカに本部を置くWorld Fast Draw Association(世界早撃ち協会、以下WFDA)に準拠している。もちろんトイガンでは全く同じにできない事もあるため(例えばモデルガンでの標的までの距離など)それらに限って日本向けの最小限のアレンジが加えられている。
2人の海外シューターは、驚くべきことに「日本の大会に参加したい!」との自らの申し出で参加した。決して日本から招待したのではない。ふだん実銃で競技しているシューター(一人は世界チャンピオン!)がトイガンを使う日本の大会に自ら参加する。それほど日本の大会や活動が海外でも高く評価されていることの証明であり(日本の様子はWFDA会報等で海外へも発信されている)、おそらく日本の全トイガンシューティング史上、初の快挙ではなかろうか。


このタイムはFD中級者の風船1つ割りより速い。

ハワード・ダービー氏
ダービー氏のドロウは「さすが世界チャンピオン!」と思わせる素晴らしいものであった。モデルガンを使う競技では、モデルガンが実銃に比べ非常に軽いため勢い余って銃が上に行き過ぎてしまい、ターゲットの風船の真上を撃ち、外してしまうことがあったため成績としては惜しい結果になってしまった。しかし比較的実銃に近い重さ・バランスのガスガンを使う競技では、他を寄せつけない圧倒的な超スピードで最速タイムを叩き出し、見事、部門優勝に輝いた。また、氏はガンプレイ(Gun Spinning)の世界チャンピオンでもある。試合終了後のエキシビションでは、華麗かつ高難度の技を次々と披露し会場を魅了した。
▲8フィート(約2.5m)先のシルエットターゲットをガスガンで1発撃つスタンディング ワックス。本大会の最速は、ハワード・ダービー氏(写真左から2人目)の0.326秒。さすが世界チャンプ!!


新たなる試み
現在アメリカでは「カウボーイ ファストドロウ」(以下CFD)が盛んだ。CFDではストックガン(いわゆる“箱出し”の銃。動作を滑らかにするチューン等、最小限の改良はOK)を使用し、待機姿勢で銃に触った(ただしトリガーガードには指を入れない)状態からドロウする「ローマン レディポジション」を採用している。実は2011年頃からWFDA本会のルールも難度を下げ、より初心者が始めやすく、より安全な競技のためにローマン レディポジションへと変更されている。WFDA-JAPANでは今後も従来どおりで試合を行なうが、今回の支部対抗戦は初めてCFDの要素も取り入れ、サミング(片手撃ち)のみのルールでガスガンを使って行なわれた。


歴史に残る大会
世界チャンピオンの参戦に初のCFDスタイルの競技と、今年はWFDA-JAPANの歴史的な大会となった。この記念すべき大会を制したのは、福岡のGoose 古賀氏。2002年にFDを始め、同年の東京での全国大会に初参戦して以来これまでの最高は5位だったが、長年の努力が実を結んでついに初優勝!
来年の全国大会は10月11日・12日に東京で開催予定。今から来年が楽しみでならない。東北・北海道からも参戦熱望。


Text:トルネード吉田
Photo:Jin 村山、Red 馬場
Special Thanks:Tex 松本, WFDA-JAPAN Chairman
Gun Professionals 2015年1月号に掲載
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