2025/03/27
タナカ ベレッタ 92FS INOX “ゴースト” セラコート エボリューション2HW
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タナカのモデルガン ベレッタ92シリーズに今度は92FS INOXが加わる。1990年代の初期モデルで、現在では通称“ゴースト”と呼ばれるステンレス仕様だ。HW樹脂に高品質のセラコート加工を施すことで、シルバーボディを再現している。
ベレッタ92FSのステンレス仕様である92FS Inoxは1990年に製品化が発表され、1992年から市販された。ベレッタは、これ以前に銃の主要パーツをステンレススチールで製造した前例が、ショットガンを含めて存在しない。92FS Inoxはステンレス製ハンドガンの需要が大きなアメリカ市場を意識して製品化されたものだ。
スライド、バレル、トリガー、リバーシブルマガジンキャッチなど、小パーツに至るまでステンレスのサンドブラスティッド マット仕上げとし、フレームのみ通常の92FSと同様のアルミニウムアーロイとなっている。
但し、そのままだとスライドとフレームの色が合わないので、フレームは陽極酸化膜処理として違和感がないようにしている。外装パーツで通常の黒染めスチールパーツは、リアサイトとファイアリングブロックピンだけだ。

このリコイルスプリングガイドロッドはステンレスの削り出しとなっている。グリップスクリュー、トリガーピン、ハンマーピンなども同様だ。
この時、ベレッタは92FS Inoxと共に、9×21mm IMI仕様の98FS Inoxを製品化し、それぞれのデラックスバージョンとして92FS Inox Goldenと98FS Inox Goldenをごく少数製造した。 このGolden仕様は、スライドに部分的なエングレーブを加え、金のInlay(象嵌)を施したもので、今では立派なコレクターズアイテムとなっている。
ちなみに.40S&W仕様の96のInox化は少し遅れて登場、その他、92 CompactのInox仕様も作られた。
当時、Inox仕様を製造したのはイタリアで、アメリカ工場ではない。
アメリカでは、この頃にイタリアで製造された92FS Inoxに、“Ghost”という“幽霊”を意味するニックネームを付けている。おそらく、現在のアメリカ製92FS Inox(後述)と区別するためだろう。
Inoxは、酸化や腐食に対する耐性の高さを意味する“Inoxidizable”の略称で、そのような金属を意味する言葉だ。ほぼステンレススチールと同じで、ヨーロッパで使われる場合が多い。その発音はイタリア語で “イノックス”となり、他のヨーロッパ言語でも概ね“イノックス”だ。その一方、アメリカンイングリッシュでは“アイノックス”と発音する。

ベレッタはその後も製品のステンレス化にあまり積極的ではなく、Inox仕様で製品化されたのは90シリーズの他、8000 Cougarシリーズ、そしてPx4ストームとのみだったと思われる。現在でもベレッタは92FSを製造供給しているが、同社のラインナップにステンレス仕様はこの92FS InoxとPx4 ストームInoxのみで他にはほとんどない。銀色に輝く92X Performanceが現行モデルにあるが、これはスチール製で、表面処理はGray Nistan Finishとなっている。このNistan Finishがどのようなものなのかははっきりとはわからないが、ニッケルアーロイ系の表面処理らしい。もちろん少数限定生産モデルでなら、他にもInoxモデルはあるだろう。もっとも今年、92X RDO INOXが新たに発表されたので、今後増える可能性はある。

右:今回はマガジンもシルバーカラーのINOX専用となっている。
現行の92FS Inoxはアメリカ製で、90年代のイタリア製とはやや仕様が異なる。イタリア製は既に述べた通り、フレーム以外の主要金属パーツをステンレスとしていたが、現行モデルはハンマー、トリガーバー、マガジンキャッチ、セイフティ、ディスアッセンブリーレバー、リアサイト、マガジン等がブラックのツートーン仕様となっている。
タナカは90年代のイタリア製Inoxを選択し、モデルガン化した。しかし、単にシルバーカラーの92FSをInoxとして製品化したわけではない。
重量を確保すべく、主要素材をHWとしたが、それだとメッキができない。主要パーツをシルバー仕上げにすべく、タナカはセラコート処理を選択した。
実銃に見紛うばかりのスライド、フレーム、バレルを絶妙な色感で塗り分けたのは、かつてセラコートを日本に普及させた“鈴友”から、その技術を引き継いだ職人集団“鈴友コーティング”だ。

また刻印をはっきりと見せるために、セラコート処理後にレーザーエングレイブ加工で刻印している。亜鉛合金で作られたレバー類はメッキ仕上げだ。
グリップスクリュー、トリガーピン、ハンマーピン、リコイルスプリングガイドは、ステンレス材からの削り出しで製作、またマガジンも、本体、フォロアー、バンパーをシルバーカラーにした専用パーツとしている。
タナカは、こうして90年代のイタリア製92FS Inoxをモデルガンで再現した。そこに費やした“こだわり”には、思わず脱帽してしまう。
タナカ
ベレッタ 92FS INOX “ゴースト” セラコート エボリューション2 HW
全長:216mm
重量:約860g(カートなし)
装弾数:15発
主要材質:HW樹脂+亜鉛ダイキャスト
仕様:5mmキャップ火薬使用発火式モデルガン
9mm快音Evolution 2発火カートリッジ 5発付属
価格:¥59,400(税込) 数量限定品
付属品 9mm快音Evolution.2発火カートリッジ 5発付
4月中旬発売予定
お問い合わせ先:タナカ
※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
TEXT:GPW Editor
Gun Pro Web 2025年5月号
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