2021/05/09
徹底検証!! BB弾の重量と飛距離の関係とは?【スナイパーライフル徹底研究】
BB弾の重量と飛距離の関係
BB弾は重ければ重いほど風などの影響を受けにくく、軽いものに比べて直進安定性に優れていることから、飛距離を出すには重いBB弾のほうが原則的に適している。今回それを検証するべくS&T製のバイオBB弾を用いて、20m、30m、40m、50mにおける重量別のヒット率を計測してみた。
重量別の各距離におけるヒット数と初速
重量 | 20m | 30m | 40m | 50m | 初速 |
---|---|---|---|---|---|
0.15g | 4/5発 | 2/5発 | 0/5発 | 0/5発 | 103.0m/s |
0.20g | 5/5発 | 5/5発 | 5/5発 | 0/5発 | 90.4m/s |
0.23g | 5/5発 | 5/5発 | 3/5発 | 0/5発 | 84.3m/s |
0.25g | 5/5発 | 2/5発 | 4/5発 | 2/5発 | 78.1m/s |
0.28g | 5/5発 | 5/5発 | 3/5発 | 3/5発 | 70.9m/s |
0.30g | 5/5発 | 5/5発 | 4/5発 | 3/5発 | 68.2m/s |
0.32g | 5/5発 | 5/5発 | 4/5発 | 2/5発 | 62.2m/s |
※上半身サイズの各ターゲットに5発ずつ実射/使用弾速器:ジーフォースBB POWER TESTER
表のとおり重くなればなるほどヒット率は上がる結果になった。ここで重要なのが、それがサバゲーやシューティングにおいて実用的であるかどうかだ。
0.28g以上になると初速が60m/s台まで落ちてしまい、ターゲットに到達するまで時間がかかり、かつ撃つ際に生じるブレなどに影響を受けやすくなってしまう。また、30m以上は命中精度を低下させる不確定要素が多くなり、実際には50m先まで飛んでいるもののターゲットに当たらない現象が起きる。これは飛ぶことと当たることの違い、つまり到達できる距離と有効射程距離の違いと思っていただければわかりやすいかもしれない。
ホップアップを強くかければ飛距離は稼げるが、弾道が浮き上がり気味になるなど、ストレートな弾道に比べて狙いにくくなる。命中精度重視にするならホップは強くかけないほうがいいが、そうすると飛距離が短くなってしまう。実用的な距離から考えると(この場合、サバゲーやシューティングで狙って実際に当てられる30m前後の距離を想定)、銃刀法によってパワーの上限が定められている現在の状況では、飛距離、命中精度、初速がもっともバランスが取れるBB弾の重量は0.20~0.25g、飛距離よりも30m以内の命中精度を重視するなら0.28gがベストだと考えられる。
BB弾の直径と集弾性・初速の関係
BB弾で重要なのは、真球度が高い(いかに真円に近いか)ことと成型時にできる内部の気泡(巣)がないこと、直径が揃っていることである。これはBB弾製造時の成型と研磨にかかわることで、この両方がしっかりしていれば精度の高いBB弾が出来上がるはずだ。
気泡に関しては内部を透視できないので正確なチェックは難しいが、直径に関してはある程度計測できる。ここではライラクスのsatelliteハイバレットBBセレクトプレートを用いて直径の大きさがどのくらい命中精度と初速に影響を及ぼすのかテストしてみた。
テストに使用したのはG&Gアーマメントとエンネス・プレシジョンMAXの0.20gバイオBB弾。使用銃は東京マルイのVSR-10プロスナイパーGスペックだ。弾は袋から任意で取り出したものを使用し、G&Gアーマメントは5.97mmを通過したものと通過しないもので分類、プレシジョンMAXは5.97mmをすべて通過したので、5.94mmにぴったりはまるものを選んだ。
G&Gアーマメント 0.20gバイオBB弾
~球径5.97mm以上の結果~
G&Gアーマメント 0.20gバイオBB弾
~球径5.97mm以下の結果~
プレシジョンMAXバイオBB弾
~球径5.94mmジャストの結果~
G&Gアーマメント、プレシジョンMAXともに直径の小さいものは初速の上下差が0.5m/s以内に収まり、特にプレシジョンMAXはかなり良好な集弾性となった。直径を選別することはある程度意味があることがわかった。
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
▼実験で使用したBB弾
▼実験で使用した機材
この記事は月刊アームズマガジン2021年5月号 P.62~63より抜粋・再編集したものです。