2020/01/29
S&T「ウィンチェスターM1887 レバーアクション ガスショットガンリアルウッド」製品レビュー
『ターミネーター2』で大人気のレバーアクションショットガン!
●シュワちゃんが豪快にスピンコック!
この銃はアメリカの西部開拓時代の1887年に登場した当時最新型の連発式散弾銃だ。当時の散弾銃は水平二連が主流だったので、銃身下のチューブマガジンにシェル5発を装填できたメリットは大きかった。
設計者はジョン・ブローニング、後にコルトM1911を設計する天才銃器デザイナーだ。ブローニングはウインチェスターに「連発式散弾銃ならポンプ式がいい」と提案したが、同社は「ウチはレバーアクションが売りだから」として、この銃を設計させた。
この銃は成功し、改良型(無煙火薬対応の強化版)のモデル1901も含め、1920年までに約7万8千挺が製造された。だがポンプアクションに比べて使い勝手が悪かったため、その後レバー式散弾銃は新しく作られることはなかった。
レバーアクション銃は、レバーを開いて閉じることで排莢・装填を行なう。レシーバーおよびレバー一体型のブリーチブロックは金属製
レバーを開くとブリーチブロック(内蔵のメカ)が丸出しになる豪快なデザインが、このモデル1887の最大の特徴
その後ウエスタンの銃でありながら、西部劇にもほとんど登場しないレアな銃となったが(テキサスの首吊り判事が主人公の『ロイ・ビーン』に登場したくらい)、この銃を一躍有名にしたのは1991年の世界的大ヒット映画『ターミネーター2』だ。
この映画に登場したのはストックを切り詰めたタイプだったが、これをアーノルド・シュワルツェネッガーが、西部劇の王者ジョン・ウェインさながらに、ハーレーに乗りながらスピンコックさせて連射し、強烈なインパクトを与えた。
ブリーチブロック後方の溝にある小さい突起がハンマー。本製品は、実際にこのハンマーがガスバルブを叩く
本製品はライブシェル式。シェルはレシーバー上面の排莢口からキャリアーを押し込みつつ、銃身下のマガジンチューブへ装填する
なお、ネット上に出回っている話で「M1887は、まともに動かない欠陥銃」という説明があるが、これは間違った情報だ。使いにくい銃だが、作動は快調。実は筆者、この銃のイタリア製レプリカを実銃所持しているが、一番の魅力は“いじって楽しい”ところだ。
●本体金属製、ライブシェル式ガスガン
S&Tからはストックを切り詰めたタイプ2種が発売済だが、今回フルサイズが新登場。編集部に製品版サンプルが届いたので早速テスト、作動は実に快調だった。パワーも充分。
シェルには6mmBB弾を3発まで装填することができる。ライブシェル式は、動かして遊ぶのが本当に楽しい!
ブリーチブロックにガスタンクが内蔵されており、レバーを開いた状態でブリーチ背面からガスを注入する
シェルを薬室入口まで持ち上げるキャリア等が実銃と異なる構造のため、実銃と比べ装填しにくく感じるが、操作感はおおむね実銃どおり。銃本体に負荷を与えるのでメーカーは推奨しないが、スピンコックもバッチリできた。これはカウボーイ・シューティングでぜひとも使いたい!
DATA
- 全長:970mm
- 重量:2,265g
- 装弾数:5発
- 価格:¥32,800
- お問い合わせ先:UFC
wholesale@ufc-web.com
TEXT:トルネード吉田
PHOTO:須田壱(スタジオゼット)
MODEL:本上みらの
HAIR&MAKE UP:伊達美紀
撮影協力:F2 プラント
この記事は月刊アームズマガジン2020年3月号 P.81より抜粋・再編集したものです。