2020/01/22
アメリカ軍の最強防寒着「ECWCS」
アメリカ軍が誇るミルスペックの最強防寒着がECWCS(Extended Cold Weather Clothing System)だ。1980年代に登場し、現在ではジェネレーション3(GEN.3)まで進化している。ここではGEN.1からGEN.3までの代表的なECWCSを紹介しよう。
アメリカ軍を支える被服の中でも、ECWCS(Extended Cold Weather Clothing System)は、アフガニスタンの高地やアラスカなどの寒冷地用の被服システムだ。アウトドアウェアの分野における「レイヤリング」と呼ばれる着用方法と同じだ。
ECWCSは気温や活動状況によって7段階(レベル)に分類されており、トップスが7種類(アンダーシャツ2タイプ、ジャケット4タイプ、オーバーコート1タイプ)、ボトムズが5種類(アンダー2タイプ、アウター3タイプ)用意されている。現在のECWCSはジェネレーション3へと進化している。
ECWCS GEN.3 LEVEL-7はレイヤリングすることを前提としていることから身頃はややゆったりめ。普段日本人サイズでLサイズを着用している筆者でS-Rサイズを着用してもゆったりしている
ECWCSの中でも日本でよく知られているのが、通称「ゴアパーカー」と呼ばれているジェネレーション1のレイヤー4(防水透湿素材のジャケット)だ。そして近年注目されているのがレベル7の中綿入りジャケットだ。中綿は羽毛ではなく、暖かくてメンテナンスしやすい化繊(ポリエステル)の「プリマロフト」が採用されている。さらにシェルは軽量で撥水性のある素材が使われており、まさに最強の防寒着といっても過言ではない。
また、レベル7ジャケットとコンビネーションとして効果的なのがレベル3のフリースだ。レベル3フリースとレベル7ジャケットをレイヤリングすれば、冬の防寒着として最適だ。
フリースライナーは単独でも着こなせる。こちらも比較的ゆったりめなので、タイトに着こなしたい方はワンサイズ下をお薦めする
米軍実物
ECWCS GEN.1 ゴアテックスパーカ
「ゴアパーカー」と聞いて連想するECWCSといえば、このウッドランドパターンのGEN.1ゴアテックスパーカ(レイヤー4)だ。高い防水・透湿性を備えるミルスペック・ゴアテックスを採用しており、あらゆるシチュエーションで活躍する
- 価格:¥29,800
- 色:ウッドランドカモ
- サイズ:L-R
MORGAN
ECWCS GEN.2 マイクロファイバーパーカ
GEN.2とGEN.1の大きな違いはライナーがフリース生地になったことだ。MORGANのGEN.2のECWCSパーカ(中綿なし)は生地に通気性と防水性に優れるマイクロファイバーを使用。A4サイズの雑誌が入る特大フロントポケット、フードは襟の中に収納できる
- 価格:¥16,800
- 色:ブラック、チャコールグレー
- サイズ:XS、S、M、L、XL
米軍同型
BAF PRIMALOFT ECWCS GEN.3 LEVEL-7
アメリカ軍が開発したECWCSの中で頂点に立つのがレベル7ジャケットだ。寒冷地用の寝袋に使われているプリマロフトを使用しており、レベルごとのレイヤリングによって究極とも言える防寒性能を発揮する
- ¥29,800
- 色:フォリッジグリーン
- サイズ:XS-S、XS-R、S-S、S-R、M-R、L-R
米軍実物
ECWCS GEN.1 コールドウェザーライナー
貴重なGEN.1のレイヤー2がこのコールドウェザーライナーだ。パイル生地を使用しており、着用すると起毛状態となって保温性が高まる。肩や袖、ポケットなどはナイロン生地で補強されている
- 参考品
- 色:ブラウン
- サイズ:S
米軍実物
ECWCS GEN.3 ポーラーテックフリースライナー
ジェネレーション3のECWCSレベル3に相当するフリースライナー。身頃は比較的ゆったりめで、レベル7ジャケットのインナーとしてはもちろんアウターとしても役に立つ。様々なシチュエーションで使えるフリースだ
- ¥9,800
- 色:フォリッジグリーン
- サイズ:M、L、XL
米軍同型
BAF ECWCS GEN.3 フリースライナー
BFAによって製造されたアメリカ軍と同型のフリースライナー。GEN.1から継続して肩や肘などが補強されており、胸にはネームパッチが貼れるようになっている
- ¥9,800
- 色:OCPブラウン
- サイズ:S、M、L、XL
- 商品のお問い合わせ先:中田商店
TEL:03-3839-6866(御徒町店)03-3832-8577(アメ横店)
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:ビレッジ2
この記事は月刊アームズマガジン2020年2月号 P.150より抜粋・再編集したものです。