2023/04/14
副社長の〇〇な話 vol.1
今月から突然始まりました。「タナカワークス副社長の〇〇○な話」
気分・都合・予定により不定期にされるトイガンメーカー副社長のつぶやき。
今回は「トイガン(主にモデルガン)の価格」についてのお話。
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昨今の物価高騰による価格変更は、弊社にとっても心苦しく、ユーザー様に対し大変申し訳なく感じています。今後もエアソフトガン、モデルガンともに頑張って生産し、価格も品質もできる限り努力しようと考えています。
さて、今回はモデルガンについて現状や将来的な機種選定・価格設定についてお話をする必要があると感じましたので少しご説明させていただきたいと思います。
熱心なファンに支えられているモデルガンなのですが、実はモデルガンのみの製造ならこの価格での販売は非常に難しいのが本音になります。モデルガンは継続して売れるエアソフトガンとは違い、一発屋的な側面があり、その時に必要な需要を満たすとすぐに市場在庫がダブつきます。
もちろん開発費は掛かっていますので、何回かの再生産を経て開発費を回収していくのですが、すぐに需要を満たしてしまうため短期スパンで連続して生産を入れることができません。3~5年の長いスパンで単発的に再生産を入れるにしても、それだと費用を回収するだけでも膨大な年月を要しますし、もちろんその間も毎月の収益が無ければ、いざ生産するときの量産体制(人員確保)を維持できません。
ですので、費用をかけ次々と新規モデルガンを開発するということは、費用回収の先送りを増やしていくことなので、将来的には会社の体力の消耗、縮小を招き、いい機種を持っているのに量産できない(人がいない)状況に陥ると思っています。
あくまでもこれは業界の歴史を振り返って感じた私の考えです。
よほど開発費を大幅に抑える工夫をするか、もしくは所帯を小さくし、受注的な少量生産するのであれば持続可能だと思いますが、それだとユーザー数は減りますし、やはり1ファンとしてモデルガンを衰退させないためにも量産品を作り続けたいと強く思っています。
弊社はエアソフトガン・モデルガンの二刀流のトータル販売数で価格を決め、1人でも多くの方にモデルガンを手に取って頂くため、そして将来への種まきのためにも、現在まではエアソフトガンとほぼ同価格に設定してきました。
しかし、開発・量産していくためには、今までの価格では維持が難しくなってきているのも事実です。ですので、今後エアソフトガンだけの機種や、エアソフトガンの価格に比べ、モデルガンの方が割高に感じる機種も出てくると思います。
本来このようなお話はユーザー様にするべきではないのですが、モデルガン化されなかったり、なかなか再生産が入らなかったり、割高に感じる価格設定など、熱心に支えて頂いているユーザー様だからこそ湧き出る疑問があると思います。
何故この設定なのかを全く説明せずに販売するのは、ユーザー様との信頼関係を構築する上でマイナスになると思いますし、高価なものだからこそ、しっかりご理解、ご納得して頂いたうえで購入して頂きたいと切に思い、今回お話させていただきました。
モデルガンは作り手とファンの熱量によってのみ存在できる商品です。「買ってよかった」「作ってよかった」とお互いに気持ちのいい関係を築いていけるよう弊社も精進してまいりますので、今後もより一層のご理解とご協力をお願い致します。