2022/09/28
中国製拳銃型玩具回収の件について
雑談で書くレベルの話ではないので、別の記事といたしました。
上記にあるとおり、警察庁より中国製の拳銃型玩具「スカイマーシャル」「パイソン」が真正銃(実銃として)認定され、回収が指示され、現在各都道府県庁が回収を進めているようです。
一見はスプリングを圧縮したカートリッジにプラスチック製の弾頭を詰め、発射するという他愛のない玩具です。
しかし、撃発機構が実銃に酷似しており、カートリッジの後方を打撃し、カートリッジ部の圧縮したスプリングを開放するという構造でした。
またシリンダー部分、インナーバレルに当たる部分が金属製であり、プラスチック製弾頭発射のためにその部分は筒抜けという形です。
つまり、(銃口・シリンダー部ともに)インサートがない一部金属製のモデルガンと捉えられる構造であったわけです。
ここまでくれば警察庁科学捜査研究所が、サイズの適合するカートリッジを製造し、発射実験をおこない、発射可能と判断するのは容易です。(本体が破損しても、1発でも撃てたとなれば発射可能との判断となります)
またこの件で弊社の「カシオペア」を思い浮かべる方も多いと思います。
主要パーツは樹脂製でカートリッジの撃発機構を複雑にし、前方から押すという特殊構造ですら「専用カートリッジ」が製造され、認定された過去から鑑みれば結果は自ずとおわかりいただけるのではないでしょうか。
古くからのガンファンの方々は度重なる規制を経て、現在に至っているので今回も発覚前から、危険性を指摘していたようですが、今回はガンファンの方以外で「ECサイトで玩具を買っただけなのに面倒なことになった」と嘆いているかたも多いと見受けられます。
越境可能なECサイトでは海外出品者が国内法や法解釈、事例を知らずに出品・販売しているリスクがあるという点を把握し、利用しなければならない時代となっています。
つまり、知らなかったでは済まず各個人で自衛しなければいけない時代になったということです。
2022年現在、弊社は日本のトイガン業界団体である「日本遊戯銃協同組合 (以下、ASGK)」に所属しており、現行銃刀法よりも厳しい自主規約(材質・硬度・構造など)を遵守し、販売を行っています。
発売に至るまでも第三者機関に検査を依頼し、認可を得てからの発売となるなど工程も多いのですが、この工程を踏むことで日本の皆様には安心安全にご購入いただけます。
今回摘発されたような外国製トイガンにあたってはこのような工程を踏んではいないと思われます。
また幼児向けであれ文鎮であれ「銃の形をした玩具」はこのようなリスクがあるということを、我が国で売買するにあたって肝に命じて置かなければいけません。
なので、このような事態を防ぐため、「銃の形をした玩具」=「トイガン」の専門店でご購入していただきたいと思います。専門店はこういう事例を吟味し販売を行っているはずですから、少なくともそういったリスクは下がるはずです。
上記事例を踏まえた上で安全対策の取り組みをしている団体の製品を、正しい知識を有した専門店にてお買い求めくださいますよう強く願うばかりです。
令和4年9月28日
株式会社タナカ
ASGK所属団体は以下のとおりです。
日本遊戯銃協同組合(ASGK) 組合員(50音順)
株式会社青島文化教材社
有限会社アップル
株式会社ウエスタン・アームズ
株式会社エム・アイ・イー総研 アクション事業部
株式会社クラウンモデル
有限会社ケイエム企画
有限会社KTW
株式会社SANSEI
株式会社タナカ
株式会社東京マルイ
株式会社ハートフォード
有限会社ヨシトモ
またASGKの認証シールを下記に記します。購入時の参考にしていただければと幸いです。
ASGK認証シール