2022/02/18

出荷案内 と 動画の答え合わせ と

 

 こんにちは。
 タナカワークスです。
 今回のプログは唐突なタイミングで上げた動画の正解発表です。

 

 

 

 2022年の目玉商品です。
『S&W PERFORMANCE CENTER M&P R8 5inch HW ver.2 モデルガン』

 

 

 

 「出していなかったの?」と思われる方も多いと思いますが、ガスガンは発売されていますがモデルガンは弊社でもまだモデルアップしていませんでした。(ver.2とありますが、対応するガスガンの最新型がver.2なので合わせてあります)

 

 
 さて、実銃の歴史にも触れなければなりません。
 このR8の誕生のきっかけは2004年『M327Sc』の発表までさかのぼります。

 当時米国では、「アサルトウエポン規制法」(攻撃的な銃を規制する法律。10発以上のマガジンが規制された)が施行されており、ハイキャパシティという選択肢は消え、10発以内でパワーの強いカートリッジを使用したモデルが多数発売されていました。
 そこでS&W社は『M27』をベースに当時が推していたスカンジウムを使用し軽量化し、かつ大型なNフレームを利用し技術革新により.357マグナム弾を6発から8発まで増やすという大胆なモデルを製作します。それが『M327Sc』です。

 「10発以内で大火力というのならリボルバーでもよいのでは?」とS&W社の人が考えたかどうかはわかりませんが、この「アサルトウエポン規制法」が開発のきっかけの1つではあったと考えるのは想像に難くありません。

 

 しかし、1994年10年間の時限立法だったので、2004年には銃器業界が懸念していた延長もなく、この「アサルトウエポン規制法」は失効します。

 

 その後、2006年に.357マグナム口径8連発、5インチバレルに脱着可能なアンダーレールとマウントレールを備えたモデルM327 TRR8』が登場します。
 「TRR8」とは「Tactical Rail Revolver 8shot」 (タクティカル・レール・リボルバー・8ショット)の略(書物によっては「Tactical Response Revolver」とも)です。
 同年後半にS&W社が復活させた、往年の「M10」と同じ名を冠する「M&P」(ミリタリーアンドポリス)ラインとして、このモデル『M&P R8』が登場します。

 

 ベースの『M327 TRR8』からエジェクターロッド部のスリットが埋められ、より強固にウエポンライトやレーザーサイトなどのモジュールを固定できるよう、アンダーバレルマウントがバレル一体型へ小改良が加えられたモデルでした。

 

(固定式に変更されたアンダーレイル。特徴的なバレルナットも再現)

 

 発売当時は『M327 TRR8』『M&P R8』ともに一部の好事家には歓迎されたものの、一般市場は冷ややかで「今更、リボルバー」という感が拭い切れず、「アサルトウエポン規制法」が失効した今、優位性はありませんでした。

 当時の記事を見ても「民間向けだろうに今更M&Pとか言われても……」「こんなバカなことをメーカーがやってくれたのだからありがたいと思うしかない」などという言葉が並び、今更感が拭い切れないようなリポートが散在しています。

 

 しかし、実際にはこのモデルは都市部のSWATチームの要請で開発されたものでした。有事の際、バリスティックシールド(防弾盾)を持ち、先頭で突入する「シールドマン」はかさ張りやすいので拳銃をメインウエポンに据える傾向がありました。
 しかし、オートマチックピストルは握りが浅いとジャムが発生しやすくなりますし、またシールドとスライドが干渉した際に起こる「バンカージャム」の発生という問題を抱えていました。

 

 この問題にS&W社は、不確定要素を徹底的に排除し、レーザー及びライトのマウント可能であり、リボルバーの信頼性・確実性を生かした.357マグナムの8発のファイアーパワーというアンサーを出しました。それがこの『M&P R8』でした。

 

(フルムーンクリップ装着しての装填。6発のシリンダーに慣れていると強烈な違和感のある8発のシリンダー)

 

 そう考えてみるとトリガー周りでなく、ボアラインに近い位置にアンダーレールを設けているのも操作性を犠牲にしてはいますが、突入という用途の特性上狙点に近い位置にレーザーやライト用のレールを設けたのだと合点がいきます。

 

(マウントベースを装着したところ。マウントベースを外した際のバレルシュラウドスクリューも付属する)


 またマッチ用かとバカにされたマウントベースもシールド越しの射撃では大型ドットサイトは有効だったかもしれません。
 案外、当時の最新のAimpoint M2ドットサイトやSurefire X200、ITI M3・6などのライトモジュールを装着してゴテゴテに盛ったものをリポートでネタにしていたようですが実際に使用していた可能性も大いにありえます。

 

 このような話が出てきたのが最近である点も面白いところです。当時現役だったSWAT隊員がインストラクターに移行したり、また引退したりことでフリーに情報発信するようになり、評価が広まったものと考えられます。
 しかし、S&W社は積極的に広報には利用しなかったのでしょうか。成り立ちの話は販促のアドバンテージになりうると感じるのですが……。

 

(こちらは実銃です。米国のGUN系人気Youtuber hickok45氏がM327 TRR8でシールドと一緒に実演しています)

 

 

 さて、モデルガンの話に戻しましょう。
 今回このタクティカル・リボルバーを発火モデルガンとして再現致しました。


 前述した脱着可能なマウントレールは勿論、バレル下部の一体型アンダーレール、Vノッチのアジャスタブルリアサイト、ウエイト入りのホーグタイプラバーグリップ、インターナルロックセーフティなど通常のリボルバーとは一線を画す異色モデルを再現しています。

 

(本体にはフルムーンクリップが1枚付属)

 

 またフルムーンクリップも付属しています。このモデルの特徴でもあるフルムーンクリップを使った8発の一気に装填・排莢も楽しめます。動画では最後の方でポトンとまとめて排莢されているので気付いた方も多いと思います。

 

(フルムーンクリップを装着した.357マグナムカート)


 このフルムーンクリップへの弾丸の脱着用が素手でやろうとするとかなり面倒です。
気をつけないとフルムーンクリップを曲げてしまいます。(弊社のフルムーンクリップも焼き入れしていますが、そこまで硬くありません。実銃のフルムーンクリップとも比較しましたがほぼ同様レベルの硬さです)
 実銃もそういったことが多いようで簡単にロードできる機材が売られているようです。
 本格的なものは価格に反映してしまうのでご用意できませんが、簡易な専用ローディングツールも付属させました。

 

(専用のローディングツール)

 

使い方がわからないと思うので動画を撮影してみました。

 

 

 ご覧になっていただけるとわかりますが、使用していただくと脱着は容易です。

 勿論、R8はフルムーンクリップなしでも1発ずつ装填も可能です。この辺は.357マグナムカートリッジはリムドカートリッジなので、M1917の様にクリップがないと使用できないという状態にはなりません。


 

 また別売りオプションとしてフルムーンクリップ(2枚セット)とR8用に新たに.357マグナムカートリッジ(8発セット)を用意しています。

 

 

 すでに弊社製品の.357マグナムカートをお持ちの方はそちらも問題なく使用できます。
 こちらもオプション品も同時発売となります。
 詳細等はこのブログだけでなく、今月末発売雑誌にも載ると思います。こちらは専門誌のライターさんの記事ですから期待大です。

 

 さて、こちらの商品は3月中旬発売を目指してスタッフ一同、一意専心製作に取り組んでおりますので発売まで今暫くお待ちください。

 

 お読みいただきありがとうございました。

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