2021/11/19
出荷案内 と ベトナム と 雑談 と
こんにちは。タナカワークスです。
早いもので今年もあと残すところ1ヶ月ですね。
弊社も本年はコロナやオリンピック、本社移転などで本当にドタバタした1年でした。
さて年内最後の出荷製品のご案内です。
なんと新製品のみ。(先月は一般のご案内が再生産のみでしたね……)
まずはモデルガンからご紹介。
『S&W M15 Combat Masterpiece 4inch .38spl HW Ver. 3 モデルガン』
お待たせいたしました。ご要望の多かったコンバットマスターピースがモデルガンとして登場です。
弊社がモデルアップしたのは1967年の比較的初期型のもの。
今回のM15は .38spl専用のテーパーがかった細身な銃身やサイドプレートにでかでかと入れられたS&W刻印が初期モデルの特徴です。
モデルでいうと15-3(ダッシュスリー)というバージョンになります。(既に他社様でモデルアップされているモデルとはバージョンが違います)
簡略化や新型パーツの採用など銃も車と同じで時代に合わせて、どんどんモデルチェンジしているんですね。
S&Wは特にモデルチェンジが多く、現行品と比較するとかなり変更点が多いです。
しかも、ダッシュが同じモデルでも「以前のパーツが残ってたから使っちゃえ」的な感じ(予想です)なのか、微妙な差異があったりとコレクターの混乱を招く原因になっています。(弊社も大変です)
……昔のアメリカはおおらかですね(笑)
ちなみに15-3も1年後の1968年にはグリップのダイヤモンドカットが無くなり、普通のチェッカリングに変更されるので実質1年しかこの形は存在しなかったことになります。
同じモデルでもどの時期のモデルを製作したのかを調べてみると、また一興です。
『S&W M19 Performance Center 3inch ”K-comp” HW Ver.3 モデルガン』
M15のクラッシックと打って変わって、現代リボルバーが遂にモデルガンで登場です。
S&Wのカスタム部門「Performance Center」(パフォーマンスセンター)が限定製作したモデルです。
現在では「パフォーマンスセンター」というと既存モデルのカスタムハイエンドライン的に存在していますが、これを製造した1994年はS&W社内でも選りすぐりのガンスミスが集まり、エポックメイキングなカスタムモデルを製作していた時代です。
コンペンセイター付きのリボルバーは反動軽減のため、大口径のマグナムリボルバーに採用されることが多いのですが、3inchモデルに採用されることは稀ではないでしょうか。
このモデルも現行型でほぼ同一の形を保った「M19 Carry Comp」というモデルが(実銃で)発売されています。
このベースモデルが今から20数年前に完成していたのは驚きです。
このコンパクトなカスタムキャリーリボルバーもヘビーウェイトモデルガンで登場します。
さて今回はかなり豪華なラインアップです。
長物エアコッキングガンの新製品です。
『M40 Vietnam AIR エアコッキングガン ベーシックモデル』
「以前出していたではないか」というご指摘もあるかと思いますが、以前のモデルは「セラコート」フィニッシュモデルでした。鈴友さんにお願いしていたのですが、当時は鈴友さんがセラコート普及のために破格の値段で塗装していただいておりました。またウォールナットなどの木製品の価格高騰も重なり、お客様より再販のご要望を頂いておりましたが、以前の価格設定での販売は難しく(おそらく以前と同様のモデルとなると弊社の日本軍の価格帯になってしまうと思います。セラコートモデルをお持ちの方は大切にしてください)、再販計画が頓挫しておりました。
今回、セラコート塗装のハイエンド仕様ではなく M40A1 AIR や M24 AIR などと同様の黒染め処理とすることでベーシックモデルとして再リリースとなりました。
「ベトナム戦争なのに何故セラコート?」というツッコミもいただいていたのでちょうどいいかもしれません(笑)(セラコートは現用米軍火器にも使用されるもので、ベトナム戦争時には存在しない技術です)
ただしそれ以外は全く妥協していません。
ストックはウォールナットのオイルフィニッシュ。特徴的な造形のチークピースを再現しています。
またバットプレートも専用品です。ここは社外で「M40ベトナム風」にするストックは出ていますがこのあたりの再現まではしていないことが多いですね。
またレシーバーの刻印も専用です。
ダミーではありますがボルトのコッキングインジゲーターも再現しています。
唯一大きく違う点としましては、スコープマウントを20mmレイルに変更している点です。
ベトナム戦争当時は専用マウントベースとマウントリングにスコープをつけていましたが、ですが価格の問題と互換性の問題で現行の汎用規格である20mmレイルに変更しています。(これはセラコートモデルも同様の仕様です)
この辺りは実際に再現してしまうとスコープの選択範囲が狭まってしまうので、良い妥協点だと考えています。
上記でM40ベトナムモデルが専用パーツがふんだんに盛られ製作されているモデルなのがお分かりいただけたかと思います。
弊社のベトナム戦争大好きな開発部長が私利私欲の為こだわりを持って製作した逸品です。
実銃も人気が高く、1960年代のM40はオークションでもかなりの高額で取引されるそうです。この頃のモデルをメーカーが2007年ごろにリプロダクトしてしているところをみると現代でも人気の高さが伺えます。
弊社M700AIRシリーズにも触れましょう。
このM700AIRシリーズはリアルな外観と実射性能の高さからエアコッキングガンとして好評を得ています。
特筆すべきは、実用的なマガジンタイプであることです。
1マガジン27発の装弾数も魅力です。
さらに正位置にマガジンが挿入でき、マガジンに込めた弾がちゃんとその順にチャンバーに送られ発射できるという点です。
このマガジンが正位置にあるのがミソです。
既存のボルトアクションのエアソフトガンはシリンダー容量を稼ぐためどうしてもマガジン位置を前に持ってこざる得ない仕様がほとんどでした。
またチャンバーにBB弾を送る為にマガジンからの長いルートが存在するため、それを隠すカバーが着きリアルではなくなったり、本体内にBB弾が残ってしまう仕様のものもありました。打開策として特殊形状マガジンを使用しているもありますね。
しかし、弊社的にはこれが許せず、この機構を開発することとなりました。モデルガンも製造しているメーカーの意地ですね。
この機構は弊社がパテントを有しています。
文字だけだとわかりづらい方は下記をチェックしてください。
M40A1 ですが内部機構を紹介していただいています。
(下記リンクはハイパー道楽さまのサイトに移動します)
個人的にはこの機構が非常によくできているので気に入っています。
M40ベトナムAIRセラコートモデルから数えると6年ぶりのM40ベトナムAIRです。
ベーシックモデルとなり価格も以前より少しですが抑えることが出来ました。
こちらも機会を逃さずお買い求めください。
今回は新モデルラッシュなので長くなってしまったのでこの辺で。
スタッフ一同、一意専心製作に取り組んでおりますので発売まで今暫くお待ちください。
~雑談的なもの~
ヘビーウェイト材が今後どうなるか不明と報じてから、早3か月経ちました。
同じ樹脂を使っていないまでも、元を辿ると粉末亜鉛の製造は一緒のようで同様に他社でも影響が出てきているようです。
弊社の在庫も少ないですが、やりくりして生産を回しています。
ヘビーウェイト材の関係で急な出荷品の変更等がある可能性もありますのでご了承ください。
代替ヘビーウェイト樹脂に関しては、弊社で現在テスト中です。
テストはまだまだ時間が掛かると思いますが、進捗がわかりましたらご案内いたします。
さて今回はこんなところでお開きです。
お読みいただきありがとうございました。