2021/05/20

M13 と 今月の出荷品 と FBIスペシャル と

 

 こんにちは。タナカワークスです。

 弊社のある東京はコロナ禍で混沌としていますが、季節は関係なく気温は徐々に上がり、着々と夏に向かっています。梅雨入りもそろそろでしょうか。

 ガスソースのエアソフトガンはこの時期からが本調子ですので、外で撃ちたいのも山々ですがここはグッと我慢し、この期間をメンテナンスに充ててみてはいかがでしょうか。雨が多くなるこの時期もメンテナンスを楽しめるようになると乙なものです。

 かく言う私も要メンテナンスの銃が貯まっていますが……

 

 さて、今月の出荷のご案内です。

 

 枕でガスガンの話をしているのですが新製品はモデルガンです。

 お待たせいたしました。

 先行で情報が出ていたのですが、生産都合で遅れていたモデルが遂に登場です。

 

『S&W M13 3inch F.B.I Special  Heavy Weight Ver.3  モデルガン』

(弊社ホームページとリンクしています)


 弊社の生産都合上、M10と入れ替わってしまい発売が遅れてしまいました。

 専門誌には3月号で既に発表がありましたが、差し替えが間に合わずこのような形になってしまいました。申し訳ございません。この場を借りてお詫びいたします。

 

 ですが、遅れた分生産数は増やしています。

 というのも、Kフレームシリーズのver.1発売当時はガスガン・モデルガンともに売れ行きが悪く、弊社の中ではイメージがあまり良くなかったのです。そのせいでリニューアルも非常に消極的でした。(弊社も商売ですので売れない場合、不人気商品と判断し再生産等は行いません)

 しかし、約10年の月日が経ち、環境も変わりリボルバーのトイガンを製作する会社も減りました。またリニューアルしたKフレームシリーズが総定数以上のご注文をいただきいた為、この考えを改め初回生産分もご対応できるよう増やしました。(それでも大手メーカーと比べると微々たるものなのですが……)

 

 さて、実銃にも触れましょう。

 発端はニューヨーク州警察からの「M10の.38spl仕様より強力な.357マグナム弾が使用可能なモデル」の求めに応じ登場したのがこの「M13」です。

 中でも1974年にFBIが正式採用した、ラウンドバットフレームに、3インチブルバレル(ヘビーバレル)を組み合わせたモデルを通称”F.B.I.スペシャル”と呼びます。

 

 米国ではM13は"Military & Police Magnum"(ミリタリーアンドポリスマグナム)と呼ばれていますが、このモデルだけは日本では「FBIスペシャル」の方が通りが良いですね。

 FBIエージェントは主に.357マグナム弾ではなく、.38spl弾のホローポイント+P弾を使用していたようです。いざという時に.357マグナム弾を使用したようですね。ただこの.38spl+P弾は通常の.38spl弾より20%圧力が高く、当初は法執行機関専用で販売されたようです。これは高圧で発射するため、負荷が高く通常の.38spl弾仕様の銃で使用すると破損を招くので、基本的には.357マグナム仕様の銃専用だったようです。

 今回弊社のモデルガンに付属するカートは.357マグナム弾ですが、もちろん弊社.38spl弾も使用できます。

 

 このモデルで有名なのは『羊たちの沈黙』(洋題:The Silence of the Lambs)のジョティ・フォスター演じるクラリス捜査官が使用していたのが印象的です。

 殺人鬼バッファロー・ビルの持つ、ステンレス製コルトパイソンとの対比がラストシーンの銃撃戦を盛り立てます。

 

 

 

 M13は.357マグナム弾を使用可能でありながら、コンシールに特化した3inchのブルバレルやフィクスドタイプのリアサイトとまさに「質実剛健」な作りが売りのモデルです。

 実際にポケットやホルスターに入れてみると、ヌルっと抜けます。

 プロのツールに相応しい「M13」、こちらも6月発売予定です。

 ご期待ください。

 

 最後にアームズマガジン3月号の広告が格好良かったので、載せておきますね。

 

 

 スタッフ一同、一意専心製作に取り組んでおりますので発売まで今暫くお待ちください。

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

~雑談的な話~

 

 本銃を製作するにあたって、社内で「FBIスぺシャル」とは何ぞやという話になりましたのでこぼれ話的に。

 近年、FBIが「GLOCK17M」を採用したのが記憶に新しいのですが、FBIの制式ハンドガンはその時代の法執行機関や軍などのハンドガン選定に影響を与えてきました。

 今回のGLOCKの口径選定が9mm口径だったことで、米軍サイドアームの口径選定にも影響を与えたといいます。

 

 今回モデルアップする「M13」も.357マグナム弾の採用という思い切った仕様です。(最初に製作要請したのはニューヨーク州警察ですが……)

 FBIに使用されたのが有名になり、米国では「FBIモデル」「FBIスペシャル」などと呼ばれています。

 昔、ラウンドバットで3インチブルバレル(ヘビーバレル)のM10(.38spl口径)が日本では「FBIスペシャル」と呼ばれて販売されていましたが、このモデルは「FBIスペシャル」と呼んでいいのでしょうか。

 実銃の写真を探したのですが、バリエーションとしてもスクエアバットのものしか見つかりませんでした。FBIの要請で作られた専用モデルを「FBIスペシャル」と呼称する場合、これは市販モデルですので……微妙ですね。(市販モデルとしてはM10も各種サイズ採用されています)

 

 弊社でも過去M65(M13のステンレス仕様)をFBIスペシャルと呼称していましたが、今回のVer.3からは使用を辞め「M65」としか表記していないのに気付いたでしょうか?(ガスガンです)

 

 M10に本当の意味でのFBIスペシャルが存在しないかというとそうでもなく、これ以前に採用した2.5inch.38spl弾ラウンドバット仕様M10「FBIスペシャル」と呼ばれています。

(https://www.americanrifleman.org/より転載。実銃画像)

  

 こっちも格好いいですね。いつか製作したいモデルですがマニアック過ぎますかね?(笑)

 

 さて今回はこんなところでお開きです。

 お読みいただきありがとうございました。

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