2021/03/30
パイソン と メッキ と メッキの保護方法 と
こんにちは。タナカワークスです。
弊社のある緊急事態宣言は解除されましたが、新モデルや再生産のラッシュに加えゴールデンウィークも控えているので、弊社の緊急事態宣言は中々解除できません(笑)
前回、M15をご紹介いたしましたので、今回はコチラのモデルを取り上げてみたいと思います。
「Colt Python Snake Eyes 2.5inch “R-model” スチール・フィニッシュ モデルガン」
エアソフトガンでは弊社がモデルアップ済みですので、実銃について簡単に触れますと1989年にコルト社から限定販売されたモデルです。
対になるシルバーモデルとセットで限定500セット販売されました。
現在では希少品となり、オークションでは最低でも10,000ドルは下らないといいます。未発火のミントコンディションではそれの2倍以上の値段が付く場合もあるそうです。またカジノをイメージした専用のディスプレイケースが付属していました。
(実銃用ショーケース。 https://www.rockislandauction.com/より引用)
このディスプレイケースはバックライトも点灯できます。豪華ですね。
弊社でもエアソフトガン販売時にこのようなセット販売を考えたそうなのですが、かなり高価になってしまい普及価格帯に収まらないので没になったそうです。
今回の製品はスチールフィニッシュモデルのみなのでお間違え無いように。
ご購入を検討されている方はニッケルフィニッシュも今後販売を予定しておりますのでセットでのご購入をご検討してはいかがでしょうか?
モデルガンの話に戻しますと、2.5inchモデルにグリップを付け替えただけに思われがちですが、ちょっと細部が違います。
まずバレル。これは”SNAKE EYES”の専用刻印入りです。
実はグリップ下部のフレーム部分にも専用刻印が。
で、この銃を印象付けているフェイクアイボリー(実銃もフェイクアイボリーです)のグリップ。
左面はダイス(サイコロ)が。何気にピンゾロ。
右面はカード(トランプ)のポーカーの図柄。♦のロイヤルストレートフラッシュ。
動画を探してみたのですが、流石にレアなモデルとあって動画は見つかりませんでした。
パイソンのバリエーションの中では異色のモデル。発火可能ですが発火せずに飾っておきたいようなモデルです。
こちらも4月中旬発売予定です。
スタッフ一同、一意専心製作に取り組んでおりますので発売まで今暫くお待ちください。
~雑談的なもの~
今回はこのモデルに関連して、メッキのお話し。
弊社では数々のメッキモデルを試行錯誤製作してきましたが、ようやく目指す色目が安定してだせるようになり、スチールフィニッシュ・ステンレスフィニッシュ・ニッケルフィニッシュの3種がメジャーなカラーバリエーションとして定着してきました。
しかし、業界でもメッキモデルは少なくなってきましたね。
まず手間の多いこと。メッキの付き方ひとつで寸法が変わり追加工が必要になる場合があります。こういったことも踏まえると通常のモデルと比べ、作業工程も大幅に増加します。また作業工程が増えるということは不良率も上がります。
はっきり言って塗装の方が数倍楽です。
しかし、過去に弊社もHW材を塗装して「ステンレスHW」という塗装モデルを出したのですが明らかに売れ行きは悪く、可能なものはメッキで行くという話になったそうです。(※ 現在でも特殊素材でメッキが難しいものは弊社も塗装を利用しています。Evo.2シリーズのスライドなどがこれにあたります。ただし一般的な塗料ではなく、セラコートなどの耐久性の高いものを選んで使用しています)
あとはメッキ業者さんの減少です。これが一番痛いです。
後継者不足や環境対策などのコスト増で廃業される業者さんが増えました。
この業界を支えてくださっている業者さんには足を向けて寝れません。
こういった理由でメッキモデルは減ってきています。
弊社では可能な限り、メッキモデルを続けていきたいと考えています。
またグレースチールフィニッシュやビンテージフィニッシュなどの限定メッキの研究も重ね、安定して供給できるように善処してまいります。
さて、弊社にお問い合わせで多いメッキモデルの保護についても触れておきたいと思います。
基本的な考え方はABS樹脂に金属の被膜がついているものを管理していると思っていただけるとわかりやすいと思います。
よくあるのは白化などといわれる白錆が発生してしまったという問い合わせ。
主な原因は湿気などの水分です。日本は高温多湿なのでこれが一番発生しやすいです。
また手の脂などでの劣化もありえます。こちらは酸化してしまい、手の指紋が残って拭いても消えないなどという場合もあります。
対策としては、遊んだらエアソフトガン用として販売されているシリコンメンテナンススプレーを着け、拭きあげてもらうことでこれは防げます。
エアソフトガン用と書いたのは、ホームセンターなどで販売されているシリコンスプレーは本体部のABS樹脂を侵すものがあり破損に繋がりますので、そちらよりエアソフトガン用として販売されているものの方が確実に使用できるからです。
そして保管に関してですが、直射日光を避け、一定の温度下で多湿を避けて保管してください。
よく弊社での保管方法を聞かれますが、さして特殊なことはしておらず先に述べたようにシリコンで拭きあげた後、耐油性が高いジップロックなどに密閉し保管しています。
こんな感じです。
押収品みたいですね(笑)
これをまとめて箱に入れて、倉庫に保管している感じですね。
倉庫は乾燥しているので、あとは日の当たらないように保管しています。
また数か月に1度、スタッフでシリコンで拭き上げしまっています。
玩具なので壊れるときは壊れるのですが、これで比較的長期間綺麗に保管できると思います。
またメーカーではこう保管しておりますが、それ以降の流通に関してはどう保管されているかは不明です。
特に弊社商品は価格帯的にもコレクション性が強く、在庫期間が長い場合が多いと考えています。
それの対策として弊社商品は表面仕上げ部や潤滑部分に比較的多めに油が塗布されています。発売日当日や早い段階で買われる方には申し訳ありませんが、拭き取って使用していただければと思います。
弊社のモデルはコレクション的に保管される方、ガンガン発火し倒す方、ガンガンサバイバルゲームで使う方と用途は様々だと思いますが、参考にしていただけたら幸いです。
さて今回はこんなところでお開きです。
お読みいただきありがとうございました。