2023/07/20
出荷案内 と R-model と 雑談 と
こんにちは。タナカワークスです。
「酷暑」という文字が、これほど合致する日々があったでしょうか。
皆さん熱中症には十分気をつけてください。
さて今回の出荷のご案内です。
『Colt Police Positive Special 4inch 3rd issue “R-model” HW Model Gun』
実銃は安全性の高い「ポジティブロック」と呼ばれる機構が組み込まれ暴発がないようにされた「ポリスポジティブ」を32口径からボアアップし、38口径に仕様変更したモデルです。(スペシャルがついていないと別の銃になってしまします。このあたりがややこしいですね)
軽量で小型でありながら安全性も高く、4インチバレルの命中精度に.38スペシャル弾6発の火力は発表された当初は官需リボルバーとして非常に歓迎されました。
コルト社曰く、「最高にコンパクトで軽く、市場に出回っている中でも最も強力なポケット&ハウス・ピストル」という謳い文句にあるように、一般市場でも歓迎され、75万挺という生産記録を誇る名銃です。
先行した「ディテクティブスペシャル R-model モデルガン」と同様に、大がかりな改修を行い、再現性、耐久性、作動性を向上させています。
上写真のようにフレーム上部のセレーションなどの外観再現も勿論、内部の大幅改修も行いました。コルトメカを忠実に再現したために発生するシリンダーロックアップ問題(トリガーの動きとシリンダーの回転とのタイミングが変化する症状)も、強固なプレス製とダイカストの2ピース構造に変更されたリバウンドレバーによって長期にわたり作動タイミングのズレを防止します。
そうそう、「”R-model”とはなにか?」とお客様から聞かれますが、弊社のダブルアクション系コルトリボルバーの旧型モデルからの改良型を「R-model」と称しています。
メカを忠実に再現し過ぎたりすると、弊社の所属団体の規約を守りつつ、量産前提で
考えると耐久性に難が出たりしますし、逆にトイガン用のアレンジされ過ぎているものはトリガーフィーリングなどが実銃からかけ離れてします。
昔はそれで良かったかもしれませんが、実射性能や再現性などすべてを考えた上でのバランスを取ったものが「R-model」となります。
「R-modelの”R”って何?」と開発部に聞いたところ「Refine でも、Renewal でも、Recycl でも好きなように受け取って欲しい。ただ前モデルの不満を改善できるよう努力している」とのこと。職人ですね。このような人たちで弊社は成り立っています。
さて、次のモデルに行きましょう。
『M700 Sporter 26inch Cartridge type Version.2 Wood Stock Gas Gun』
弊社の人気ガスカート式ライフルの新作M700スポーターです。
エアコッキングタイプのものでは限定品として発売されていましたが、ガスカート式としては初モデルアップです。
AIR の限定モデルはバレルがスチールフィニッシュ or ステンレスフィニッシュのメッキ加工でしたが、今回は一般的な黒染めにしています。
「THE・猟銃」というスタイルですが、近年ではポスト・アポカリプス系(※なんらかの理由で現在の文明が崩壊した後の世界。 その風景や社会を描いたもの)のゲームや映画でスナイパーライフルやボルトアクションライフルの名前で登場し、荒廃した世界でも質実剛健な作りから活躍しているのが見て取れます。
このようなスポーターモデルは90年代は盛んにモデルアップされていたのですが、あまり人気がなく徐々に下火になり、見渡す限りほぼ軍用・警察用モデル中心になってしましました。
しかし、上記のような理由から弊社スタッフがスポーターモデルも復活させたいと考え、今回発売に至りました。最近見なかった分、逆に新鮮に見えます。
こういったバリエーションモデルも一定の周期になりますが、ラインナップに加えていきたいと思います。
次はずーっと忘れられてたモデル。
『S&W M36 3inch .38 spl ”Chiefs Special”Ver.2 HW Model Gun』
M36のチーフスペシャル3インチモデルのヘビーウエイトモデルです。
先月のM29CB ver.3 4inch ガスガン同様に忘れさられていた新商品です。
再販気分でいたのですが、Ver.2のヘビーウエイトモデル 3インチ モデルガンは新製品でした。
再販もさらっとご案内しましょう。
『LUGER P08 4inch HW Mauser"S/42" Code,”K" Date 1934 version Gas Blowback Gun』
P08の人気モデル4インチが再販です。名前が長いですが基本モデルの”エルフルトじゃない方”ですのでお間違えなく。
『S&W M1917 CAL.45 U.S.Military 5.5inch HW Gas Gun』
WWⅡを舞台にした映画『フューリー』などで使われているモデルです。
ガスガンはなんと約5年ぶりの再販です。
弊社は理由不明ですが、夏になると何故かWWⅡものが再販になりがちなジンクスがあります(笑)
『S&W M19 2.5inch "Combat Magnum" HW Ver.3 Model Gun』
.357マグナムスナブノーズリボルバーが2年ぶりの再販です。80年代の私服刑事がコンシールドで使用していたそうです。こちらも人気なのでお見逃しなく。
情勢的にいろいろと価格の高騰も続いてますので、またいつ価格変更となってしまうかわかりません。お早めにお買い求めください。
突然変更の可能性もございますので、ご迷惑をおかけいたしますがご了承ください。
スタッフ一同、一意専心製作に取り組んでおりますので発売まで今暫くお待ちください。
~雑談的なもの~
50年もトイガンをやっていると、ラインナップはかなり膨大な量になっています。
スタッフ同士話していると、昔は人気がなかったために再生産されなかったり、バリエーションをやらなかったり(ガスガンでは存在しているのにモデルガンではないとか、その逆もあります)しているモデルがかなりあります。
例えば、S&W 旧Kフレーム系のトイガンは2000年代初期に発売したのですが人気がなくバリエーションを展開しなかったのですね。
当時は他社製Kフレームトイガンも溢れていたこともあると思いますが、不人気でモデルガンもガスガンもごく限られた基本モデルものしかやりませんでした。
しかし、その後の2019年にVer.3化した際には、人気でバリエーションも拡大しました。
時勢的なものも多いのでしょうが、こういうこともありますので、ずーっと忘れられているモデルもできる限り、少数でも復活させていこうと生産管理部と先日話会いました。
なので、マイナーなモデルも少数ですが生産してくと思います。(ペガサス2のSAAの様にリニューアル前提で生産を止めていたモデルは別です)
弊社に生産力があればいいのですが、町工場に毛が生えた程度なのでラインナップを1周するのには5~6年ぐらいかかります。
これに新製品開発が加わると、再生産はもっと長くなるのです。
「よく何を再生産してほしい」などとお声をいただきますが、チャンスを逃すとそれぐらい待つことになります。
生産計画は数年単位で決められているので、人気でもすぐに再生産には至りません。
弊社もできる限り、専門誌やホームページなどで告知していきますので、逃さずお買い求めください。
あなたの好きなマイナーモデルも復活するかも?……という話でした。