2023/07/02
HK G28エアソフトとエラタック(前編)
さて、今回はアームズマガジンWebブログ、記念すべき第2回です。
ちょっとペース早めですが早速Blogいってみます。
先ずはトップ写真。
こちらは2023年3月にドイツで開催されたIWAを訪問した際に触れる機会があったHK G28向け専用、特徴的なフォルムをしたお馴染みのマウントです。 このマウントデザインは、エアソフト向け遊戯銃として細部にこだわったG28にもアクセサリーとして同じく再現され、HKライセンスド モデル として世界のサバゲー市場に流通しています。
これら実用の軍用銃と、それに搭載されるライフルスコープを含むドットサイトの知名度は高く、世界のサバゲーマーの方々にもブランドは広く知られていますが、スコープマウントについては意外と知られていません。今回のBlogではそのあたりに触れてみます。
【エラタック】
ドイツのRecknagel GmbH社が製造するEratacマウントは、欧米のローエンフォースメントに採用されるなど、厳しい環境における高水準実用品質が証明されている、Made in Germany のスコープマウントです。
日本ではあまり知られていませんが、写真にあるG28に搭載されているエラタックマウントを製造するRecknagel GmbH社は、150年を越える歴史を有するドイツのマウントメーカーです。
Eratac(エラタック)とは、Recknagel GmbH社が製造する、タクティカルに特化した軍用製品に冠されるブランドです。本題の前に、実銃のG28を少し見ていきます。
【HK G28とエラタック】
3月にドイツで開催されたIWA2023を訪問した際、ヘッケラー&コッホ社(HK)のブースへ伺って参りました。
下の写真は ヘッケラー&コッホ G28 にマウントされている独シュミットアンドベンダー社によるG28向け専用モデル、RAL8000, SB 3-20x50 PM II ,34mm径です。
Recknagel GmbH社でもこのG28向け専用として、ミルスペック準拠 ワンピース型 25MOA 固定傾斜マウントをHK社へ供給しています。
【G28向け専用】
G28専用マウントのフロント部には、エラタック専用の拡張ピカティニーレールが取付けられています。その上にはエイムポイントのT1-Micro。対物側と接眼側にサンシェードが取付けられた専用仕様です。このマウントはナットによる固定方式が採用されています。
真下の写真は一般にも販売されているブラックのエラタックQLマウントです。Upperにはピカティニーレール。弊社でもお塵扱いしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
【スコープはS&B for HK】
独シュミットアンドベンダー社供給のライフルスコープには、接眼筒左側にSCHMIDT BENDER for HKのレーザー刻印が入っています。外装カラーはRAL8000。
スコープを支えるエラタックマウントの固定はナット式。
製品にも表示されている12Nm(ニュートンメーター)というのはメーカー推奨の固定トルク。ちなみに、一般的な猟銃向けのそれはおおよそ2〜3Nm程度です。
【HK G28向け専用カラー】
エラタックマウントの外装はセラコートによるものではなく、アノダイズド塗装です。ライフルスコープなど、アノダイズドの行程で一般的に採用される色はブラックですが、G28向けの場合、セラコートではなく、HK側の仕様要求に寄せアノダイズドによるRAL8000に近しい色が採用されています。ちなみにこちらのマウントは、HKからのみ購入が可能なItemです。
【RALとアノダイズド。色味の違い】
こちらはアノダイズドによる着色加工。
そしてこちらがセラコート。
【G28 セットアップ】
G28向けEratac ワンピース型タクティカルマウントと、G28セットアップ展示です。ハンズオンも可能なこのデモ機、ドットサイトが取り付けられた状態はかなりのサイズです。
対物50㎜径レンズのS&Bスコープと、Aimpoint Micro T-2。ウワモノの光学機器込みマウント全体で1300グラムの重量があります。
G28の重量ですが、HK公式Website(外部リンク:HK社HP)によると、G28本体重量が5800グラム、空マガジン10発用が110グラム、20発用については150グラム。ロングハンドガードとロングレンジ用のスコープを備えたシステム全体としては、 7000グラム超 といった感じでしょうか。
【HK MR308実銃】
こちらは別回の独IWA展示品、G28 (外部リンク:HK社HP)派生元のモデルとは近しい関係の HK MR308(外部リンク:HK社HP)。G28とは見た目も雰囲気も異なります。
マウントされているのは エラタックですが G28のそれではなく、Eratac アジャスタブル傾斜マウントです。アジャスタブルとは、固定された傾斜ではなく、必要に応じて傾斜調整が可能なマウント。という意味です。
【可変ダイヤル】
G28は、ドイツの軍用マークスマンライフルとして採用された実績があります。そのG28にも採用されているマウントが、Eratacのタクティカルマウントです。
写真のHK MR308には、エラタック ”アジャスタブル" 傾斜マウントがシュタイナーのスコープとの組合せで取り付けられています。
このエラタック、外観もさることながら、機能も本気のミルスペックです。状況に応じ、一般的なロングレンジを越える射撃距離の外でも、必要な能力をその場で引き出すことができます。この偏心ダイヤル、回転させると傾斜角が10MOA単位で(最大70MOA)変わります。
【HK417エアソフト】
HK MR308の流れから、やっとエアガンにきました。上図はエアソフト向け遊戯銃、HK417(外部リンク:HK社HP) にセットアップされたエラタック "アジャスタブル" 傾斜マウントです。マウントのリアとフロントにはEratacの純正拡張パーツを取付けてあります。本ブログの後半編では、エイムポイント Micro T-2もマウントしていきます。
【まとめ】
ということで、話が長くなりましたが、エアソフト向けにライセンス品として日本国内でも販売されているHK G28(外部リンク:HK社HP)とHK417(外部リンク:HK社HP)。今回、一話完結のブログを予定しておりましたが、思いのほか長い記事になってしまったため、前半編と後半編の2部構成とさせていただきます。
今回もここまでBlogにお付き合いをいただき、ありがとうございました。
4月に続き、7月30日開催のビクトリーショー in 浜松町(サムズミリタリ屋様 外部リンク)にて実機展示をさせていただく予定です。この機会にハンズオンで本物の独製Eratac実機を是非お試し下さい。
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