2024/10/16

ライフルスコープのつぼ。

ビクセンまぼろしの一品

【はじめに】

光学機器メーカーとして、世界の天体望遠鏡市場では高い知名度を誇るビクセン。そんなビクセンから一度だけ、タクティカルな装いを纏ったライフルスコープが市場投入されたことがあります。しかもドイツ向けとして。

【市場とタイミングが今ならば...。】

上にあるこのスコープ、Vixen 1-6x24 DBと呼ばれていたタクティカル仕様のスコープです。但し、現在は製品ラインナップに存在しません。狩猟向け光学機器市場で戦っていたビクセンスコープでしたが、このDBはスペック的に完全にタクティカル。

 

製品仕様とは別に、ライフルスコープで難しいのは本体色。狩猟向けライフルスコープは伝統的にブラックが多いなか、黒ではない色に加えてレチクルまでもタクティカル。

【それでも一度はやってみる】

オレンジやホワイトなど特徴的な外観色を備えた狩猟向けスコープもありましたが、結局みなさん(ハンター)が最後に選ぶスコープは黒色の製品。それでも、ビクセンは敢えてチャレンジしました。ダークブラウン色を纏ったVixen 1-6x24。ゼロプラスレチクルを搭載した初のタクティカルモデル。

 

【ハンティング向けスコープ】

結論として、ビジネスとしては成功と言える成果を上げることは難しかったのかもしれません。タクティカルなデザインの外観に、レチクルもハンティング(狩猟)以外のユーザー層を意識した設計。当時、売れ筋のスコープは1-6x或いは1-8x(6倍比 or 8倍比ショートスコープ)であり、これらスコープの狩猟用途は圧倒的に巻狩り。

 

【狩猟向けの人気レチクル】

求められるレチクル(わかり易いレチクル)は、デュープレックスやG4といった単純なデザインを基本としながらも、スコープ中心のイルミドット照明は強烈な日差しや、逆に薄暗い森の中でもシャープな赤色の点として機能するものなど、狩猟向けとしてのレチクル周辺機能で各社差別化を進めていたように思います。

 

【まとめ】

2024年の現在時点、ビクセンではこのタクティカルデザインはスコープのラインナップから外れています。この先の将来、狩猟向けの純粋なハンティングラインナップに加え、タクティカルラインナップが揃う日がくるかは分かりませんが、ビクセンという会社の製品を見ていると、時代のその時々のフェーズにおいて、チャレンジングなモノづくりへ積極的に取り組んできた企業のような気がします。サバゲー向けの専用スコープ。いつかやってくれるとといいですね。

 

ということで今回のBlogはドラサイトでもエラタックでもなく、ビクセンのライフルスコープでした。この先も狩猟向け光学機器にまつわる小噺も織り交ぜつつ、皆さまが楽しんで戴ける記事を心がけて参ります。

 

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