2024/02/21
ボアサイターという道具があります。
【はじめに】
今回はライフルスコープのボアサイティングです。ギリギリ2月のArms MAGAZINE Webブログに間に合いました!
ボアサイティングというのは、銃器のバレルにあいた穴(ボア)の中心と、ライフルスコープのレチクル中心を合わせる作業です。ここで使用される道具というのがございまして、ボアサイターと呼ばれています。
【ボアサイターという道具】
このボアサイティングはゼロインを行うための下準備であることを心がけましょう。
そして、ボアサイティング後は、必ず射撃場へ足を運び、ゼロイン(*任意距離における着弾点とスコープの狙点を合わせる作業)を行うことは必須です。
【ボアサイターいろいろ】
ボアサイターという道具。バレルに空いた穴と、スコープのアライメントを取るこの道具には幾つか種類がございますので、使い易そうなものを選びます。当方のチョイスは古典的なタイプのボアサイター。光学式のものです。
【気を付けましょう】
ボアサイターを使った作業へ進む前の注意点として、この作業の前までに、ライフルスコープは銃へ正しくマウントされている(2/22追記です:外部リンク)必要があります。
【グリッドが入ったレチクル】
グリッドが施されたレチクルは、ボアサイターに内蔵されているパターンです。付属の取説によると、このパターンでは1マスが4MOAということでした。
【使い方をみてみる】
ボアサイティング前の状態(上図)では、バレルのボア(背後のグリッド中心)とスコープのサイトライン(レチクルの赤色照明ドット)がずれています。
【2つの中心】
この写真の読み取り方ですが、スコープのレチクル中心(太い線のデュープレックスがクロスする場所)に対し、その後ろに見えるグリッド中心(黄色点)がバレルに差し込んだボアサイターが示すバレル穴(ボア)の位置です。
大前提としては、ボアサイターが正確にバレル先端に取付けられている状態。とすると、ライフルスコープのサイトラインは、バレル中心から右方向に12MOA、下方向に12MOAずれていると言えます。(*1マスを4MOA at 100mとした場合。)
ボアサイティングというのは、射撃場の試射前までに済ませる仮のゼロインとして、このズレを簡易的に補正する作業です。従いまして、射撃場でのゼロインの前におこなっておくことで、射撃場においては余裕を持って試射に臨むことができます。
【ゼロリセット】
ウィンデージとエレベーションを片方ずつ回し、バレルのボアとスコープのサイトラインのアライメントを取っていきます。場合によっては、この作業過程でウィンデージとエレベーションを多く回転させることになるため、あとの作業工程でツマミの始点位置をリセット(ゼロリセット)しておきます。
【エレベーション】
保護キャップを取り外したエレベーションつまみです。ビクセン6-24x58の場合、、六角レンチで銀色の止めネジを外します。目盛りが刻まれたツマミは上方向へ引き上げるとスッと外せますので、ツマミのゼロが刻まれたポイントをスコープ本体の始点位置(”ー”と表示)にあわせてツマミを戻します。止めネジを元に戻し、固定して終了です。
アドバイス:ゼロリセットは、射撃場で最終的なゼロイン作業が完了したあとに行うと2度手間になりません。
【まとめ】
ウィンデージつまみも上述手順と同様です。六角レンチで銀色の止めネジを外します。目盛りが刻まれたツマミは横方向へ引き出すとスッと外せますので、ツマミのゼロが刻まれたポイントをスコープ本体の始点位置(”ー”と表示)にあわせてツマミを戻します。止めネジを元に戻し、固定して終了です。
写真と図解を使いながら、出来るだけわかり易い記事を意識しておりますが、少し長くなってしまいました。2月も残りわずか、そして3月になるともう春です。
今回もここまでお付き合いをいただきありがとうございました。
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