2024/02/02
ライフルスコープのあれこれ。アイボックスって?
【はじめに】
今回のテーマはライフルスコープのアイボックス。
サバゲー/ハンティングを楽しむ皆さんは、好みのスタイルに応じて様々なライフルスコープをご使用されていると思います。ショートスコープ、ロングレンジ向けの高倍率スコープ。覗いた際の視野が見えにくく感じるモデルもあるかもしれません。正しい取付けに加え、アイボックスを少し理解すると、スコープがもっと楽しくなるはず。今日はこの辺りの理由を少し探ってみます。
【アイボックス】
お手元のライフルスコープを手に取り、接眼レンズを覗き込んで前後・上下・左右に少しずつ動かしてみましょう(*おろそかにしがちな前後が大切。)。スコープ内の視野が常にフルフィールドで真円に見える範囲がアイボックスです。では、上の写真はどうでしょう? 視野は真円ではありませんね。目の位置が本来の正しい位置から僅か右側にズレています。
【何でアイボックスは大切なの?】
大きなアイボックスを有するスコープ(*ハイエンド製品に多いです)のアドバンテージは、頭の位置や傾きなどの射撃姿勢への制限が低いことから(*ストレスなく見える位置を獲得するために頭を大きく動かす必要がない)、例えば狩猟においては、射手に余計な神経を使わせることなく(*標的の動きに集中できる)、快適なハンティングを可能にする点です。少し丁寧に説明をつづけます。
【で、何がアイボックス?】
ライフルスコープのアイボックスとは、スコープのひとみ径とアイレリーフから構成される接眼レンズの真後ろに目を置くポイントであり、かつ、接眼レンズを覗き込んだ際の視野がフルフィールドの真円で見ることが可能な範囲(*イメージとしては、円柱を横に倒したような前後・左右・上下の空間)を意味します。
【光学機器のワードいろいろ】
スコープのひとみ径は、高倍率時に狭くなり、低倍率時に広くなります。スコープのアイレリーフとは、接眼レンズの後端面からスコープを覗き込んだ際、自身で定めた倍率設定にて視野がくっきりとフルフィールドの真円で見える位置を指します。(*加えて、日中と薄曇りとでは、人間のひとみ径もオートで収縮していますので、環境要素もスコープを覗いた際の見え方に影響を及ぼす要因でもありますのでご注意を。)
【もうちょっとアイボックス】
低倍率域と高倍率域では異なりますが、それぞれにスレッショルド(日本語で"しきい値")が存在します。アイレリーフの高倍率域および低倍率領域におけるスレッショルド(*簡単に言うと視野が真円でクリアに見えるギリギリの範囲)です。お手元にスコープがあればちょっと覗いてみてください。低倍率域のアイレリーフ スレッショルド(*目の位置を前後に動かしても真円を維持可能な範囲)が長いのに対し、高倍率域のスレッショルドは範囲が短いことが体感できます。それぞれにクリアな視野がフルフィールドの真円で見える位置があり、この2つが重なり合う範囲をアイボックスと呼びます。ちょっと長かったですね。
【アイボックスの理解を応用】
例えば上写真のスコープはビクセン6-24x58 とビクセン1-8x25ED ですが、低倍率域でアイレリーフを合わせたスコープを銃器へマウント(取付け)してしまうと、ズームリングで高倍率域へ変倍した際、クリアな真円を獲得するために頭を前方へ動かす動作が必要になり、瞬時の判断が問われるフィールドでの使用において好ましくありません。
【まとめ】
従いまして、ライフルスコープを銃に取り付ける際は、高倍率と低倍率、その両方を覗き込んだ時に頭を動かすことなく視野がフルフィールドで真円に見える範囲(アイボックス)にスコープがマウントされていることが重要です(*或いは、使用頻度が高い倍率での設定)。ということで、今回のBlogはここまでです。ライフルスコープの合わせ方についても、この先のBlogで触れて参ります。
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