2023/10/30
スコープのあれこれ。SFPとFFPレチクル。其の②
シリーズ第2回、スコープのあれこれ。SFPとFFPレチクル。其の②です。前回ブログでは、SFPとFFPの違いの説明に加え、パララックスとレチクルのピントの合わせ方について少し触れました。今回は、パララックス(*視差)発生と調整について図解と併せみていきます。
【パララックス?】
2つの異なる距離にある2点(スコープに内蔵されているレチクルと、対物レンズ越しに捉えている標的)をスコープ越しに覗く際、みなさん一度は体験した、❝レチクルが何か変な感じに見えるのだが?❞ それがパララックス。
ターゲットがどの距離にいようとも、ライフルスコープを通してレンズ内に捉える標的とレチクルが各焦点面、あるいは同一焦点面でピタッとおさまっていれば、気になるレベルのパララックス(視差)は発生しません。
【こんな感じ】
レチクルのピントはディオプターでしっかりと合わせてある状態ですが、イノシシのピントはズレている状態です。この逆、或いは両方ともピントがズレている場合、フワフワとした感じに見えます。上図の場合、真ん中にある例が、パキッととた像で、標的とレチクルが見えている状態です。
標的(*ここではイノシシ)のフォーカス調整を整えるには、サイドフォーカスを使って第1焦点面で捉えている標的のピントを合わせます。AO(アジャスタブルオブジェクティブ:対物レンズ側にある調整リング)の場合は対物側のリングでフォーカスを整えます。
【サイドフォーカス】
倍率10倍を超えるライフルスコープには、サイドフォーカスが備わっています。パララックス(視差)を整える為の便利な機能です。標的までの距離(*メートル表示)にツマミダイヤルを回して合わせます。30mならば30、100mならば100といった具合です。
一方、低倍率ライフルスコープの場合、サイドフォーカス機能は付いていません。
ゆえに、そうしたスコープのパララックス補正については、内蔵のフォーカスレンズが距離50m、あるいは100m程度の距離で固定フォーカスされている場合が多い為、その前後の距離では少しボヤっととした見え方に感じるかもしれません。
【フォーカスレンズ】
用意した図は簡略化させていただきましたが、ライフルスコープのざっくり図解です。実際は、スコープには十数枚から構成されるレンズ群が配置(*価格帯によって異なります)され、その中に像の焦点(合焦)を整えるフォーカスレンズというレンズが備わっています。
このフォーカスレンズは、高倍率スコープに備わっているサイドフォーカスを回すことで機能し、第1焦点面で結像するイメージのピントを整えることができます。
【SFPで覗くと?】
こちらの図は、第2焦点面にレチクル(SFP)を備えるライフルスコープを使い、レンズ内にイノシシを捉えたイメージ図です。
SFPの場合、 ズームリングでスコープの倍率を上げると、対物レンズを通して捉えたイノシシの像は拡大されますが、レチクルのサイズは変わりません。
【FFPで覗くと?】
こちらは第1焦点面レチクル(FFP)を備えたスコープでイノシシを捉えたイメージ図です。
ズームリングで倍率を上げていくと、イノシシの像に合わせてレチクルも拡大されます。これは第1焦点面で結像したスコープ内の焦点面に、レチクルが配置されていることによるものです。
【まとめ】
インターネットでFFP、SFPを調べてみると、それぞれの長所と短所がわかります。射撃用途とレチクルのお好みでSFPあるいはFFPを選べるという、自由かつ多様な選択肢が身近になっている今だからこそ、ターゲットシューター、ハンター、或いはサバゲーマーとして試せることがたくさんあります。
長いBlogになってしまいましたが、ここまでお付き合いをいただきありがとうございました。