2023/08/11
スコープのあれこれ。SFPとFFPレチクル。其の①
今回のブログはSFPとFFPです。
どのライフルスコープにも、FFP(第1焦点面)、あるいはSFP(第2焦点面)の何れかにレチクルが備わっています。ブログ後半では、パララックス(*視差と呼ばれます)発生の原因と、調整方法について触れてみます。それではさっそく。
【はじめに】
ライフルスコープを使う上で、部分名称の他に馴染みのあるキーワードというのが幾つかあります。FFP、SFP、そしてパララックス(*視差)。各テーマへ向かう前に、先ずはライフルスコープの中身をざっくり図解で見てみましょう。
【ひとつ目の結像点】
対物レンズから入射した光は、エレクターチューブと呼ばれる、入射した光を正立化させるための道、を通りながらライフルスコープ内の第1焦点面と第2焦点面の両焦点面で像を結びます。光は最終的に接眼レンズを透過し、ライフルスコープのアイレリーフ位置に置いた人間の視覚器官に到達、脳はそれを結像された正立イメージとして捉え、あぁやっと ❝見える❞ という感じで私たちはライフルスコープを覗いているわけです。なんと不思議な。
【ふたつ目の結像点】
ライフルスコープには、第1焦点面レチクル(FFP)と、第2焦点面レチクル(SFP)があるという話は先に触れました。対物レンズから入射した光は、第1焦点面で結像し、像はエレクターチューブと呼ばれる筒を通り倒立から正立化され、第2焦点面で再び結像します。この第1、或いは第2にレチクルが置かれたスコープを、私たちはFFP又は、SFPという分類で呼称しています。
【レチクルのフワフワは何?】
スコープを覗いた際に、パララックスが発生しいている場合(対物レンズ側で捉えている標的に対し、内蔵のレチクルがフワフワと浮いているように見える状態、又はその逆)、この2つの異なる2地点にある像とレチクルのズレが原因です。
この状態は一般的にパララックスと呼称され、少し面倒な感じもしますが、焦点面のズレを整えることで問題は解消されます。
では、パララックスをどうやって整えるのでしょうか?
【ディオプターを整える】
スコープにはレチクルが内蔵されています。ウィンデージ/エレベーションを使って上下左右へ動かすことはできますが、レチクル位置を物理的に前後移動させることは出来ません。
そこで、ライフルスコープにはレチクルのピントを整える機構が備わっています。それがディオプターと呼ばれる調整機構です。
ディオプターはライフルスコープの接眼レンズ部分に付いています。これはレチクルのピントを整えるために備わっている回転する調整用のツマミです。
【レチクルのピント】
第1焦点面、第2焦点レチクルにかかわらず、アイレリーフ位置に目を置き、はっきりとレチクルが見えるポイントで、このディオプターをゆっくりと回し、レチクルがはっきりと見える位置に設定をします。よくありがちな間違いとしては、ディオプターで標的のピントを合わせてしまうことです。私も一番最初にやりました。
【サイドフォーカス】
上図の場合、レチクルのピントはディオプターでしっかりと合わせてある状態ですが、イノシシのピントはズレている状態です。この逆、或いは両方ともピントがズレている場合、フワフワとした感じに見えます。この状態で射撃をすると事故を起こしてしまいますので、サイドフォーカスを使って第1焦点面で捉えている標的のピントを合わせます。AOの場合は対物側のリングで調整します。
【まとめ】
ネットでFFP、SFPを調べてみると、それぞれの長所と短所がわかります。射撃用途とレチクルのお好みでSFPあるいはFFPを選べるという、自由かつ多様な選択肢が身近になっている今だからこそ、シューターや、ハンターとして試せることがたくさんあります。
こちらのサイトでは、この先も狩猟用の光学機器とスコープマウントに主眼を置きつつ、たまにドイツのおいしい話も織り交ぜて参ります。
長いBlogになってしまいましたが、ここまでお付き合いをいただきありがとうございました。今回のテーマは壱話完結が難しかったため、其の② を続編として用意して参ります。Instagram、その他のSNSにて情報発信もしておりますのでよろしくお願い申し上げます。