2019/04/08
【P-90ステルス化計画】1 プロローグ
アームズマガジンの編集・遥が、愛用の東京マルイ製スタンダード電動ガンP-90TRを無音で目立たない銃にしてみたい、という安直な発想から生まれた企画。「静粛性」の向上を目指してカスタムしていきます。
■魅力が色褪せないP-90
東京マルイのスタンダード電動ガンP-90は2001年の発売以来およそ18年の時を経ていますが、サバゲフィールドを見渡してみてもM4系が主流の中で愛用者はまだ一定数存在します。そして最近では『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』で主人公レンの愛銃(「ピーちゃん」ことピンクのP-90)として登場したことから人気が再燃し、東京マルイから完全限定生産・公式コラボモデルが発売されたのは記憶に新しいところでしょう。
私もP-90はその近未来SF的なデザインやコンセプトから大好きな銃のひとつで、電動ガンP-90のバリエーションモデル、P-90TRが2002年に発売された際に即購入。以来、サバゲに行く時はほとんどこの銃を愛用しています。
実銃のP-90は主に車輌や航空機の乗員、指揮官などが用いるPDW(個人防御火器)として設計され、全長を短縮化できるブルパップ式を採用。突起物を極力排しツルンとしたボディを持ち、拳銃弾並みのサイズながらボディアーマーを貫通できる5.7mm×28弾を使用できるなど、ユニークな特徴があります。
電動ガンP-90もコンパクトで取り回しがきわめて良好、という実銃の美点はしっかり受け継いでいますが、マガジンが大きくブルパップ式であるためM4系などに比べマガジンチェンジがしづらいという難点はあり、好みは分かれるところでしょう。
■衝撃を受けた「P-90サイレントカスタム」
私が若き編集だった頃、この「P90サイレントカスタムへの道」(2003年5月号から2004年11月号まで不定期連載)という記事を担当させていただいたことがありました。その中でライターさんの製作したP-90サイレントカスタムの試射に立ち会った際、ノーマルと比較しほとんど無音と言っていいほど静かな射撃音にはただただ驚かされました。電動ユニットの作動ノイズも発射音もほぼ消されていたのです。
この銃はサイレンサーへの仕切り板追加、シリンダーヘッドとピストンヘッドの加工による打撃音低減、電動ユニットと本体フレームの防音対策など多くの部分に手が加えられ、その効果は絶大だったと言えるでしょう。ただ、ピストンヘッドのエアダンパー化など高度な技術を要する部分については私には敷居が高くちょっと真似できそうにはありませんでしたが、記事を参考にしつつある程度自分なりにかみ砕いてカスタムすればちょっとしたダウングレード版なら作れるのではないか、ということはなんとなく考えていました。
■ステルス化への道
リコイルを再現した次世代電動ガンやガスブローバックライフルなど、実銃のようなフィーリングを大事にしているエアガンが主流となっている中で「静粛化」というのは流行から少し外れているかもしれませんが、相手に「どこから撃たれているのかわからない」ような銃を持つことは、サバゲにおいても戦術上有利なはず。そこで、この企画では私物のP-90TRをベースに私ができる範囲での静粛化カスタムを施し「ステルス化」を図ってみたいと思います。
…と、今回は序章として、次回からは電動ガンP-90TRの静粛化に向けていろいろやっていきます。
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[プロフィール]
編集・遥
2000年にホビージャパン入社。「月刊アームズマガジン」編集部、「月刊ホビージャパン」編集部を経て、2017年から再び「月刊アームズマガジン」編集部に配属。