2025/03/27
1971 44 AUTO MAG Model 180 パサデナモデル
史上初の.44マグナムセミオートピストル“44 AUTO MAG”は、数奇な運命を辿ってきた。1971年のデビューから1982年の製造中止までに数々のスペシャルモデルを生んだ一方で、5回以上社名を変更し続けた。これはその最初のモデルだ。
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.44マグナム口径セミオートピストル
「オートマグのパサデナモデル、手に入れたよ。弾は無いけどね」
驚きの報せが届いたのは、昨年の事だった。オートマグのパサデナモデルといえば、コレクターが常に探し求めているレアな初期モデルの事だ。おまけに
「出自のはっきりしたアモ(.44AMP(.44 オートマグピストル))さえあれば、撃っても良いよ」とのありがたいお言葉も併せて頂くことができた。
この弾薬探しには苦労したが、その間にこの数奇な運命を辿った.44マグナム口径セミオートピストルのヒストリーを学ぶこともできた。

製造メーカー:AUTOMAG CORPORATION
口径:.44AMP
全長:295mm
銃身長:270mm
重量:1,580g
装弾数:7発+1
作動方式:ショートリコイルオペレーテッド, ロテイティングボルト
1969年当時、カリフォルニア州パサデナ市にあった“イーストパサデナ ファイヤーアームズ&タックルショップ”のオーナーであった、Harry Sanford(ハリー・サンフォード)氏と同店のガンスミスであったMax A. Gera(マックス・ゲラ)氏によって、この.44マグナム口径、ショートリコイル、ロテイティングボルト、シングルアクションピストルのデザインが始まり、1958年にサンフォード氏がデザインしたリムレス.44マグナム口径弾(ケースは.308Win口径ライフル弾用を短くカットしたもの)をベースに開発が進められていた。
当時を知るコレクターによると、アッパーレシーバーとボルトの加速機構である“アクセレレーター”デザインは、スウェーデンのミリタリーピストルであった“Lahti(ラハティ) m/40 9mm” から、ロテイティングボルトデザインは“M1941ジョンソンライフル”と、“M16ライフル”から、ダブルリコイルスプリングガイドデザインは“ワルサーP38”から、そしてバレル上部のベンチレーテッドリブは、当時人気のあった“コルトパイソン”や“レミントンXP100”からインスパイアされたものとされている。