2025/03/29
COLT AR15 R6000/SP1 & AR15A2 HBAR
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AR15
米国で最も売れている民間市場向けライフルは、ここ数年ずっとAR15であり、ガンショップに行けば、壁にずらっと並ぶのはAR15のバリエーションばかりだ。
これは20年前では考えられない状況で、ウッドストックにブルー仕上げのレシーバーとバレルを持つボルトアクションライフルが並んでいた当時、AR15は“Black Rifle”(ブラックライフル)と呼ばれ、一部のサバイバリストやガンマニアなどのいわゆる“好事家”向けの非現実的なライフルという位置付けだった。ハンティングとターゲットシューティングを主流とするトラディショナルな米国民間市場において、AR15がここまで発展し、受け入れられるとは当時考えもつかなかった。
AR15は現在、軍用M16をベースとして、それからフルオート機構を取り除いたセミオートスポーティングライフルを指す名称として米国で一般化している。AR15の名称は開発元であるアーマライト社が使用していた商品名であり、セミオートモデルだけに使用されていた名称ではない。この“AR15はセミオートモデル、M16はフルオートモデル”という認識、あるいは線引きはどこで生まれ定着していったのか、筆者には良くわからないが、現在では米国銃器業界ではそのように扱われている。
現在米国における銃器市場の中心的存在はAR15とそのバリエーションであり、それこそ数えきれないほどのメーカーがAR15のクローン、もしくはその発展型を製造している。今回はそんなAR15の源流である、コルト社製AR15の2種類を見ていこう。
コルトのM16
アーマライト社で開発、誕生したAR15だが、1959年にコルト社はAR15の製造権をアーマライト社から買い取っている。ここからがコルトにおけるAR15のスタートだ。
1959年のModel 601が、コルト社で初めて生産されたAR15であり、緑色のストック、グリップ、ハンドガードを持ち、ダックビルフラッシュハイダー、三角形のチャージングハンドルを持ち、14,500挺が試験生産された。8,500挺が米空軍へ、1,000挺が米陸軍へ、100挺程度が海軍特殊部隊ネービーシールへと送られた。
1963年のModel 602は本格的な製造モデルで、19, 000挺が米空軍へと納品された。新型の三叉フラッシュハイダー、チャージングハンドルを持つ。
Model 603は、米陸軍向けの改良モデル。1964年に米軍試験採用番号XM16E1として運用が始まり、1967年にはM16A1という正式な採用番号が与えられている。この辺りでM16という名称が登場しているわけだ。
この間にチェンバー&ボアへのハードクローム、バートケイジハイダーの採用、ボルトフォアートアシストの追加、ロアレシーバーへのパーシャルフェンス、後にフルフェンスの追加、バットストックのクリーニングキット収納スペースの追加等が行なわれた。生産時期によって使用されているパーツが交じり合っているが、これらがベトナム戦争で使用されたモデルとなる。
Model 604は、M602に次いで、M603と同時期に米空軍向けに生産されたモデル。M16A1に近いがフォアードアシストを持たない。三叉フラッシュハイダーとバードケイジハイダーが生産時期によって混ざっている。M605はカービンモデル。M606は、M603のヘビーバレルモデル。1981年のM16A1E1そして、M16A2開発へと繋がるモデルである。

コルトのAR15
コルト社が1964年1月に民間向けに製造を開始したのがModel R6000/SP1だ。軽量なセミオートスポーティングライフルとして販売され、民間のハンターやシューター、多くの州警察機構では治安維持対策用として使用された。この時点でコルト社はAR15をセミオートスポーティングライフルのカテゴリーとして、軍用のM16と分類し、民間および警察機構向けにマーケティングを始めている。
初期のModel R6000/SP1は、空軍向けのModel 602の生産時期と重なっており、特徴が似通っている。生産は1982年まで行なわれ、その後はスポーター2モデルが登場している。
軍用モデルであるModel 602からModel 604にかけての改良に合わせて、Model R6000/SP1に使用されたパーツも変化していくのだが、フォアードアシストと、ロアレシーバーへのマガジンキャッチ周りのフェンスの追加は最後まで行なわれなかった。
Model R6000/SP1に入れ替わるように、1986年になると、AR-15A2としてM16A2に準じたアップグレードを行なったセミオートスポーティングライフルが登場する。
このAR15-A2という名称も、米国のアサルトライフル規制の間はAR15の名前を隠すように”マッチターゲット”という商品名に置き換えられた。
その後は、この2機種がコルトにおけるAR15の中核に位置するモデルとなり、これらを基本としてバレル長やストックの種類、アッパーレシーバーの形状や口径といった無数のバリエーションが展開され、現在まで継続している。
今回はコルト社におけるAR15の代表としてSP1とマッチターゲットの2種類を紹介していこう。

初期のグリップはプラスチックではなく、ベークライト製であった。
右:M16A1から採用されているバードケージフラッシュハイダー。

右:アルミ製40連マガジン。20連から始まり、ベトナム戦争中に現在でも主流の30連マガジンが登場。その後、80年代には様々なメーカーから40連マガジンを含むカスタムマガジンが登場し始めた。

右:リアサイトはシンプルだ。エレベーション調整はフロントサイトで行ない、ウィンテージ調整のみリアサイトで行なうデザインだった。

右:80年に登場したレザーウッド社製スコープマウント(写真はそのレプリカ)を用いて、クラシックなダットサイト、Aimpoint MarkⅢを装着した。エイムポイントMarkⅢはウィンテージ/エレベーション調整が本体内部に装備され、自動照度調整等、現在のモデルにつながるフィーチャーを初めて備えたモデルとなっている。



右:円筒形のハンドガードにしたことにより、ハンドガードのホールドが確実になると同時に、M16A1からM16A2への切り替えの際、外見からすぐにバレルツイストが変更されていることが判る目印にもなっている。