2025/03/27
タナカ S&W M36 パフォーマンスセンター 2インチ HW バージョン 2
S&W JフレームのベースモデルであるM36は、パフォーマンスセンターの手が加わるとさらにその魅力を増す。タナカからそんなM36PCが久々に再販される。今回はHW仕様のVer.2となっており、作動性能、再現性が一段とアップした。
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S&Wは1957年、一般市販をおこなっているすべての製品にモデルナンバーを割り振り、製品のキャラクターに合わせた固有の名称を使用することを原則的に止めた。コンバットマグナムと呼ぶことを止めてモデル19、チーフスペシャルを止めてモデル36という感じだ。
同社は第二次大戦後、個々の製品をアップデートし、リボルバーに関しては、すべて同じメカニズムに統一、違いは口径、フレームサイズ、銃身長、その他一部パーツの仕様違いのみとする合理的なラインナップを構築してきた。
その結果、S&W製なら原則的にどのリボルバーも、同じメカニズムと同じ操作性となり、高いユーザビリティを実現している。このモデルナンバー制はその総仕上げともいうべきものだった。
これ以降、約30年にわたって、S&Wはリボルバーに関して高いシェアを獲得し続けた。アメリカ中のポリスが使うリボルバーは圧倒的にS&Wであり、コルトユーザーはごく一部に過ぎない。ルガーやトーラスなどは土俵にも上がれていなかった。それは民間市場での販売にも影響する。
この状態は、S&Wにとって、“売れているのだから、新しいものを生み出す必要はない”という意識を生むことに繋がったのだろう。そのため、この時代に同社がリボルバーでやったことは、ちょっとした改良とコストダウンを目的とした製造工程の見直しに過ぎない。
但し、これについては、S&Wのメカニズムは完成されたものとなっていたので、これ以上新しくする必要はなかったという見方もある。
しかし、1980年代になると、状況は激変した。アメリカ軍のM9トライアルをきっかけに、ダブル/シングルアクショントリガーを搭載したハイキャパシティ9mmオート、通称ワンダー9が急速に人気を集め、リボルバー王国の牙城を切り崩し始めたのだ。さらに1985年にグロックがアメリカに上陸、ポリマーフレームとセイフアクションを武器に快進撃を始める。
これらによって、アメリカンポリスはリボルバーを使う、という伝統が崩壊、S&Wリボルバーは時代遅れという風潮が生まれた。S&Wのセミオートが売れているなら、それを伸ばしてリボルバーの落ち込みをカバーするという手も考えられるが、当時のS&Wセミオートは、ヨーロッパ勢と比べて、特別な優位性はなかった。
そんな状況が数年続いたとき、S&Wが打ち出した新戦略が、パフォーマンスセンターだ。リボルバーカスタムを得意とするJohn French(ジョン・フレンチ)と1911系を得意とするPaul Liebenberg(ポール・リーベンバーグ)という二人の著名なガンスミスと契約、S&Wの製品をベースとするカスタムガンを数量限定で製作販売する体制を構築したのだ。
決して起死回生の秘策ではない。しかし、30年以上に亘って変化が乏しかったリボルバーに新鮮味を大幅に加え、注目度の低かったS&Wセミオートも洗練されたツールというイメージを打ち出すことには成功した。

銃の外観デザインに量産モデルとは異なるマニアックな要素を取り入れると共に、組立工程にハンドフィットの丁寧な摺合わせを加え、より滑らかなプルを実現するトリガージョブを施したパフォーマンスセンターの製品は、かなりの人気を集めるようになる。
当時S&Wは、イギリスのTomkins plc(トムキンスplc)の傘下にあり、ガンメーカーとしての評判は芳しくなかった。しかし、このパフォーマンスセンターを開設したことは高く評価されている。その後、名の通った一流ガンスミスは去り、社内のエンジニアで運営する体制となったが、パフォーマンスセンターはその後も現在に至るまで、in-house brandとしてずっと続いている。
タナカがパフォーマンスセンターの製品をモデルアップし始めたのは、かなり昔のことだ。通常のS&Wリボルバーとは明らかに異なる、アグレッシブなデザインの製品が量産モデルとして販売されるようになったことに、かなり驚いた記憶がある。
その中でも比較的シンプルなM36パフォーマンスセンター2インチは、フラットサイドバレルやダブテイルのフロントサイトなど、シンプルながらカスタムモデルらしいテイストに満ちた魅力的な製品だった。
しかし、その後にちょっと雰囲気が似ているM360シリーズが登場したことによってこの製品は廃盤となってしまった。しかし、M36パフォーマンスセンター2インチは、新しいM360とは違う魅力がある。そこで今回アップグレードして復活することになった。

右:5発シリンダーにしたことがJフレームの成功に繋がった。おそらくS&Wリボルバーで今、最も売れているのは、Jフレームだろう。
かつてのモデルはABS仕様であったが、今回はHWだ。またメカもVer.2となり、作動性能、再現性も一段とアップしている。もちろんリアル刻印だ。
グリップはUncle Mike’sのBoot Gripタイプが付いている。アンクルマイクスはグリップの生産から撤退したため、オリジナルは中古市場を探さないと入手できない。タナカはこのコンパクトなグリップも忠実に再現している。このグリップを装着することで、M36パフォーマンスセンター2インチはコンシールドキャリーに最適な雰囲気を醸し出している。
この機会にノーマルのM36とは異なる、パフォーマンスセンターらしいアグレッシブさに満ちたこのモデルを、お手元に置いてみてはいかがだろうか。
タナカ
S&W M36 パフォーマンスセンター 2インチ HW バージョン 2
全長:160mm
重量:約400g(カートリッジ込)
装弾数:5発
主要材質:HW樹脂+亜鉛ダイキャスト
仕様:7mmキャップ火薬使用発火式モデルガン
.38スペシャル発火カートリッジ 5発付属
Jフレームラウンドバット
価格:¥33,550(税込)
5月発売予定
お問い合わせ先:タナカ
※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
TEXT:GPW Editor
Gun Pro Web 2025年5月号
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